好きだなんて言わないで (ページ3)

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「·····。」

「すげぇ目腫れてんじゃん。」

明らかに “ 泣きました ” っていう顔の私を見て

紫耀は少し遠慮がちに

“ 何があった？ ” そう聞きたそうな視線を私に向けた。

正直、私自身も頭の整理がついてない状態で

廉くんと別れたっていっても全く実感がないし

それに、廉くんが一方的に切り出した別れだし

その別れを受け止める時間が私にはまだ足りてない

だからまだ·····

昨日の事を口にしたくはなかったけど

紫耀は今までずっと

幼馴染として私と仲良くしてくれてて

私と廉くんの恋をいつも応援してくれてたから

ちゃんと昨日のことを伝えた方がいいと思った。

「·····廉くんに、振られちゃった」

「·····は？」

「·····。」

「なんで？」

「·····分かんない、昨日突然私の事が
もう好きじゃないって。」

単刀直入にそう伝えると

また、じわじわと目の奥が熱くなって

少しだけ滲む視界

その先には私の事を心配そうに見つめる紫耀がいる

「分かんないって·····理由聞かなかったの？」

「聞こうと思ったけど·····声が出なくてっ、
だって本当に突然だったから。」

言い終わると同時に、本格的に視界は滲んできて

大粒の涙が私の頬に落ちた。

「ごめん、正直俺もびっくりして
なんて声掛けたらいいか分かんない」

突然、泣き出す私に少し戸惑いながらも

温かいその指先で私の涙を拭ってくれた。