#42 ページ42
帰っても今日は蓮が居ないだろうと肩を落とす。
何故なら、あの後私と蓮は口を聞かなかったからだ。
と、言うよりは会話する隙がなかったと言えばいいのか。
蓮は課長に忘年会参加を懇願されていて付き纏われていたから呼び出して2人きりになる時間も、普段通り話す時間も無かった。
｢怒ってるだろうなぁ……連絡も無いし｣
｢誰が、怒ってんの？｣
｢っ＿＿＿＿!!!｣
暗がりの背後からの声掛けは良くない。心臓に。
思い切り叫びそうになった瞬間に振り向いて蓮だと認識したから良かったものの
普通に不審者だと思ってしまった。
｢…な、な、んでいる？｣
｢なんでって、彼氏なんだからあたりまえじゃん｣
｢あ、そ、そ、っか｣
なんとなく気まずくて目を逸らしてしまう。
なんで外で待ってるの？と聞くと、早く会いたかったからっていつも通り頭を撫でてくれる蓮の手が優しくて
私はポロポロと涙が零れてきて止められなかった。
安心した、この手に。
｢A、ごめ＿＿＿｣
｢ごめんね、蓮｣
私の零れる涙を掬って拭って、寒空の下で私を優しく抱きしめてくれた。
｢ごめん、ふっかさんに触られてんのすげぇ嫌で、離しに行きたいのに身動き取れねぇし。すげぇイライラしてた｣
｢私が深澤さん厳戒態勢を崩したのが悪いの、ごめん｣
｢っは！何それ、ふっかさん厳戒態勢ってっ！｣
｢だ、だって、私が蓮なら、嫌、なんだもん。触られるのとか……だから、そうならないように……｣
私は至って真面目に話しているのに、蓮は何故か面白がって笑う。
人が真面目に話してるのに、と少しむくれてみると
｢拗ねても可愛いだけでーす｣
｢な、何言ってんの……！｣
｢俺嘘つけないから｣
私の頬をツネって楽しそうに笑う。
しばらく私の頬を触って伸ばしたり縮めたりしていると満足したみたいで
私をゆっくり離した。
2人で部屋に戻って夕ご飯の準備をしていると
｢クリスマス忘年会、参加しよ｣
｢…蓮がモテるから嫌だ｣
｢なにそれ、クソ可愛い。ヤキモチ？｣
｢ヤキモチ……朝だって、ヤキモチだった｣
忘年会に参加すると言うから、嫌だと伝えたのに
今後ヤキモチなんて妬かなくていいようにするから、お互いに。と言う蓮はやけに楽しそうで
どうしてもと言われてしまったら参加せざるを得なくなってしまった。
｢何するつもりなの？｣
｢秘密の方が、楽しいから教えない｣
｢悪い顔してる｣
｢悪い顔の俺は嫌い？｣
｢ううん、好き｣
｢俺も、Aの全部が好き｣
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かず(プロフ) - こんにちは！ドキドキしながら読ませていただき、2つ分、一気読みしちゃいました！これからも更新、楽しみにしています！ (4月21日 11時) (
レス) id: 69d89bba8e (このIDを非表示/違反報告)
清乃(せいの)(プロフ) - わたあめさん» わたあめさん！コメントありがとうございます！とても嬉しいです！頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (3月17日 19時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続き楽しみに待ってます (3月17日 16時) (レス) @page30 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清乃(せいの) | 作成日時：2024年2月20日 9時
