#41 ページ41
｢クリスマス忘年会？……なにこれ｣
｢社長が寂しいからクリスマスに忘年会したいんだって｣
社長は独身とかでは無い。
寧ろ綺麗なお嫁さんに可愛いご子息が居らっしゃるのに寂しいとは何事でしょうか。と思いながら配られたプリントを見て、蓮はどう思っているのだろうと目線だけ送ると
モテ男の目黒蓮は、女子社員に参加して欲しいと囲まれていて私の目線になんか気づいていない。
｢Aは、俺とデートだから不参加だよな？｣
｢わっ、深澤さん離れてください｣
｢……やだ｣
｢好きな奴いるとか知らねえーし！聞こえてねぇーもん！｣
深澤さんが、後ろから抱きついてきて離して欲しいとお願いしても
逆に強く抱きしめられてしまって困ってしまう。
蓮に悲しい気持ちになって欲しくないのに、よじってもダメで
｢なぁ、ここで逃げるってことは社内にいんの？好きな奴｣
｢っ、あ、それは秘密で…｣
｢んは、お前分かりやすすぎ。ちぇー。娘が俺離れするー｣
少し寂しそうな顔をする深澤さんは渋々私から離れると
阿部さんを連れてきて、私の好きなやつを炙り出そうぜ！と謎の盛り上がりを見せていたのだけれども
｢え、ふっか、わかんないの？｣
｢え？｣
｢え？｣
阿部さんには言っていないのにそんな発言が出てくる。
俺だけに言ってないのかという目で深澤さんに見られて、思わず首を思いきり振ると
阿部さんは、含みのある顔で笑って深澤さんに1人で頑張れと手を振ってデスクに戻った。
｢阿部を俺は……敵にしたくないな｣
｢わ、私もです｣
そう言いながらうんうんと頷いていると
｢……2人、仲良さそーですね｣
私と深澤さんの間に無理やり入ってくる蓮があからさまに機嫌が悪い。
そんなこととは知らずに深澤さんは蓮に、そうだろうそうだろうって自慢しながら肩を叩いていて
蓮は、ずるいですよー。と言って笑っているのだけれど目の奥は笑っていない。
いや、でも、蓮だって女の子に囲まれて近かったじゃん。
そんな嫉妬心が私の脳を支配してしまって
｢目黒くんも、女子社員と仲良くしてたし同じでしょ｣
｢俺は別に仲良くしてません｣
ここで感情を剥き出しにしてはいけないと分かっているのに
女子と仲良くしていたとしても、私の事が好きだと信じているのに
いい歳した大人が嫉妬をするだなんてと思いながらも、止まらずに
黙って席に戻って
｢A？そこ、数字間違ってるけど｣
｢……｣
｢A？おーい｣
心の小さい女だと思われたと、後悔の念が押し寄せて
仕事脳に切り替えられない。
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かず(プロフ) - こんにちは！ドキドキしながら読ませていただき、2つ分、一気読みしちゃいました！これからも更新、楽しみにしています！ (4月21日 11時) (
レス) id: 69d89bba8e (このIDを非表示/違反報告)
清乃(せいの)(プロフ) - わたあめさん» わたあめさん！コメントありがとうございます！とても嬉しいです！頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (3月17日 19時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続き楽しみに待ってます (3月17日 16時) (レス) @page30 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清乃(せいの) | 作成日時：2024年2月20日 9時
