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｢Aさんが寝たら帰ります｣
｢…困ります、帰って｣
｢もう俺、Aさんの言うこと聞かないって言いましたー｣
結局、俺風邪引きます！なんて言われて渋々家に入れることに。
君に惹かれているどころか好きという単語が口から出そうになった件について脳内会議しようと思っていたのに、それどころではなくなってしまった。
それに、落ち着かなくてソワソワしてしまう。
｢あ、ち、千景に連絡してくる｣
｢ここで、してください｣
｢お、乙女の話を聞くなんて…｣
｢俺耳塞ぐんで、ここでしてください｣
手首を強く掴まれて、また倒れられたら俺次こそ怒ります。そう、私に言うから
根負けして、ベランダではなく居間兼寝室で通話することに。
千景は凄く心配してくれてて、自分の仕事が忙しくて何も出来なくてごめんと謝られたけど彼女は何も悪くない
それどころか、今日の分の仕事は請け負ってくれて
労りの言葉もくれた。
｢深澤さん、淡々と注意してた。Aが教育係だから口出しするのは野暮だと思ってしなかったけどーって。｣
そう言われて深澤さんからのメッセージを確認すると
"助けてと言えない子に育ててないぞー！いつでも頼ってこいよ"
と来てて、阿部さんからも心配と労りの言葉が来てた。
さっき止めたはずの涙がポタポタと落ちてきて、明日は目が腫れて開かないだろうと思うほどに涙を流すと
｢Aさん。ぎゅーってする？｣
｢なんで今聞くの…いつもは勝手にする癖に｣
｢俺に甘える練習？｣
そう言って楽しそうに笑う目黒くんに、腹を立てそうになるのに
どうしてもこの人の温もりが欲しいと
甘えたいと、思ってしまう。
｢彼女でもないのに｣
｢大丈夫ですよ。俺の彼女になるから｣
｢…どんな自信なの｣
｢Aさんの瞳に、俺以外の男を映させる気更々ありませんから｣
言葉で、抱きしめて？なんて恥ずかしいから
手を広げて待ってる彼に埋まるように私から抱きしめた。
ふふふと楽しそうに笑っているのは分かってる。
だから、顔は上げたくないし、見られたくもない。
｢…ね、Aさん。俺のぎゅー好き？｣
｢…そこそこ｣
｢じゃあ、俺のことは？｣
｢…ことは、何？｣
｢ずりぃー、分かってるくせに｣
ずるいのは君だ、目黒くん。
わかってるのは君なくせに。
確証があって聞いてる癖に
｢Aさん｣
そう言って、抱きしめている私をゆっくり離すと
今まで見てきたどんな顔よりも、とびきり優しい顔で
｢俺の事、好き？｣
って聞く彼に私は
｢うん｣
って、熱くなる顔を隠すように頷いた。
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かず(プロフ) - こんにちは！ドキドキしながら読ませていただき、2つ分、一気読みしちゃいました！これからも更新、楽しみにしています！ (4月21日 11時) (
レス) id: 69d89bba8e (このIDを非表示/違反報告)
清乃(せいの)(プロフ) - わたあめさん» わたあめさん！コメントありがとうございます！とても嬉しいです！頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (3月17日 19時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続き楽しみに待ってます (3月17日 16時) (レス) @page30 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清乃(せいの) | 作成日時：2024年2月20日 9時
