#29 ページ29
｢＿＿＿＿て感じなんだけど、まずはやってみましょうか｣
｢は、い｣
仕事は仕事、私情は私情だと私は考えているものでザワザワするような心を封印して教えているのだけれど
説明しても、目黒くんを目で追ってて聞いているのか聞いていないのか、判断しずらい。
とりあえず、彼が離席したのを見計らって都度分からないことがあれば聞いてくださいと伝えて1つ仕事を与える。
｢Aさんって、蓮の彼女なんですか？｣
｢ｹﾞﾎｯ…!!!な、何言ってるの。今は仕事中…｣
｢だ、だって…分からないことがあったら聞いてくださいって…｣
そう言いながら、うるうるした目で私を見てくる百瀬さん。
仕事のことを、お願いしますと再度伝えると
私の服の裾をちょこんと引っ張って上目遣いされると絆されてしまいそうになる。
これは、少しやりづらい。
｢わ、私、気になってできません…！｣
｢…付き合ってません。はい、答えたから仕事してくれるかな？｣
そう言うとやっと取り掛かってくれて、安堵する。
私も私のことをしよう、そう思うとまた声をかけられる。
キリのいい所まで打ってもいいかな？と聞いて待っててもらっていると
事件が起こる。
｢っ…ｸﾞｽｯ…｣
｢え、あ、ど、どうしたの？泣かないで？｣
待たせている間に泣かせてしまったのだ。
｢Aさん、私の事嫌いですか…？｣
｢え？そんな事ないよ？｣
｢だって、聞いてくださいって言ったのに聞いてくれないなんてパワハラです｣
3分程度しか経っていないのだけれど、この子にとっては長い時間だったのかと思って反省して謝る。
まさかこんな事でパワハラだ、なんだって言われるとは皆目見当もつかなかった。
｢A、百瀬ちゃんは初日なんだから不安に決まってるだろ？ちゃんと教えてやれよ。お前もう下っ端じゃないんだぞ｣
｢すみません…｣
やりづらさの理由がまだあるなんて思わなかった。
深澤さんを尊敬せざるを得ない。
このプレッシャーの中私も、今は目黒くんも育てているのだから。
｢Aさんーっ｣
｢…目黒くん？サボったらダメでしょ、戻りなさい｣
気分を入れ替えるために化粧室に向かって直ぐに出ると目黒くんが目の前に立って私に向かって手招きをした。
口では戻れとか言いながら、その手招きに乗って近づくのは私で
｢て、言いながら来てくれた｣
｢…だめなの？｣
まるで猫を撫でるかのように私の頭を撫でる目黒くんの手に安心してるのは私だ。
｢ダメなわけないじゃん。ね、百瀬に何かされたら言ってください。俺がAさんを傷つけさせないから｣
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かず(プロフ) - こんにちは！ドキドキしながら読ませていただき、2つ分、一気読みしちゃいました！これからも更新、楽しみにしています！ (4月21日 11時) (
レス) id: 69d89bba8e (このIDを非表示/違反報告)
清乃(せいの)(プロフ) - わたあめさん» わたあめさん！コメントありがとうございます！とても嬉しいです！頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (3月17日 19時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続き楽しみに待ってます (3月17日 16時) (レス) @page30 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清乃(せいの) | 作成日時：2024年2月20日 9時
