#27 ページ27
案の定、あの薄暗さ、そして心地よすぎる温度に
耳心地の良い、お姉さんの声に私は意識を手放してしまったのだった。
沢山謝っても罪悪感が消える訳では無いけれど、目黒くんは寝ている私も可愛いだなんて言って優しく笑って許してくれた。
｢A！俺もう我慢できないんだけど｣
早く出社してしまって誰もいないオフィスで
いつもより低い声で私に後ろからハグしながら、そう言ってくるのは
＿＿＿＿深澤さんだった。
離してくださいと言う前に深澤さんは、パッと私を離すと
机の下でのの字を書きながらあからさまに私をチラチラ見てすぐにまた視線を落とす。
何やら事情は分からないけれど、この人は拗ねているのではないか？と何故か簡単に推測できてしまった。
目黒くんの行動と理由を結び付ける推測はできないのに。
｢深澤さん、どうしました？｣
｢どうもこうも、＿＿＿＿したんだろ？｣
｢え？｣
よく聞こえなくて聞き返そうとした瞬間、のの字を書いていた手を止めて
急に私の手を引っ張ったせいで、私は体制を崩して深澤さんの上に乗ってしまう体制に。
これは見られたらマズイ。
誰に＿＿＿＿
…女性社員も勿論。
深澤さん人気は目黒くんにほぼ持っていかれたと言っても過言では無いけれど
それでもこの人はモテる。
深澤さんから近づく分には何も言ってこなかった彼女達でも
私が押し倒したみたいなこの状況は、許してはくれないだろう。
｢すぐ退きます｣
｢やだ、退かせない｣
｢子どもみたいなこと、言わないでください｣
｢めめに見られたくない？｣
そう言われた瞬間、胸を締め付けられる感覚がした。
この心地はまったくよくない。
図星を突かれたから、こんなに心地の悪い苦しい感じがするのだろうか。
＿＿＿＿目黒くんには、何故か見られたくないと思ってる。
｢…ごめん。意地悪しすぎた。だから、ンな顔すんな。な？｣
｢…いつもと同じ顔、ですが｣
｢どこがだっつーの。あーあ、俺もAの事良いなーって思ってたのに｣
なんつって！と言うと、深澤さんは私を拘束していた手を解放してくれた。
私はどんな顔をしていたのだろうか
表情筋は1ミリも動いていない感覚だったのに
"そんな顔"なんて抽象的に言わないで、具体的に想像しやすく教えて欲しかったです。深澤さん。
｢めめが、超自慢してくんの！Aとデートしたって！｣
｢…言いふらしてるんですか？あの人｣
｢え、あ、Aサン…？顔怖＿＿＿＿｣
｢おはようございま＿＿＿＿｣
｢目黒、お前マジ事情は聞かずに今すぐ土下座しろ！｣
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かず(プロフ) - こんにちは！ドキドキしながら読ませていただき、2つ分、一気読みしちゃいました！これからも更新、楽しみにしています！ (4月21日 11時) (
レス) id: 69d89bba8e (このIDを非表示/違反報告)
清乃(せいの)(プロフ) - わたあめさん» わたあめさん！コメントありがとうございます！とても嬉しいです！頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (3月17日 19時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続き楽しみに待ってます (3月17日 16時) (レス) @page30 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清乃(せいの) | 作成日時：2024年2月20日 9時
