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「A?おーい、A」
「え?あ、な、に?千景」
「あ、目黒くん」
「ッ!!……し、仕事仕事……」
うっそー。と言ってニヤニヤしてくる千景。
このなんでも見透かされてるような表情に私は参ってしまう。
あの日____目黒くんの元カノに偶然会った時
なんで私は、目黒くんに彼女になる可能性が無いって言いきらなかったのか分からない。
以前の私なら、100無いと言って突っ返していたのに。
私は曖昧な答えを彼にしてしまったのだ。
「これは乙女の悩みと見た____ということで、呑むよ」
「私は飲めないよ」
「1杯以上は勧めない。し、アンタ素面で悩み言えんの?」
「……う…」
こうなったら言うまで帰してくれないと悟った私は久々にアルコールに口を付けることにした。
顔が赤くなる以外に今の所実害は出ていないし、量を気をつけようと思いながら
千景の言っていることは正しい。
私はきっとこの悩みを素面で言うことは出来ないだろうから。
「うー…だぁから…」
「うんうん、アンタとりあえずもう飲まないでくれる?」
ここから私の記憶なんてものは無かった。
いや、初めてだった、気をつけていつもと同じ量を飲んでいるのに記憶を無くす飲み方をしたのは。
「目黒くんに、付き合う可能性があるかもーって言ったんだ?」
「言っちゃったよぉー。変なの私ぃ……目が合うだけでぇ、胸がぁきゅぅーってして苦しくなるのにね、心地いーの」
「やっとアンタに春が来たって事ね」
「春が来たら、私が好きみたいじゃーん。んふふふふふー。」
しかも千景と来たら私が何を言ったのかとかを教えてくれなかった。
____のはまだ良い。自分でも聞くのは勇気がいるから。
だけど千景さん。
これだけは教えて欲しかった。
本当に、切実に。
「ん……すぅ____」
なんで私のベッドにもたれ掛かりながら寝てる目黒くんが居るのか
そして、なぜ私の家にいるのか
しかも私だけ悠々とベッドに寝て、布団の一つも出さない私
酔ってたとは言え配慮できて無さすぎる。
「ッ__頭痛い……」
起きてすぐのメッセージは千景から。
無事に家に着いたかの確認と、次からは素面で話を聞くから。という旨のことは書いてある
目黒くんは?何故?と返信してから1時間音沙汰がない
これは、彼女の二度寝が始まったと思って諦めながら
しじみの即席味噌汁を作って目黒くんを起こ
「目黒くん、布団用意するから一旦起きて」
「ん、ん…ん?」
「あ、起きた?後で事情を聞くから一旦……っわ……!」
したつもりが、彼の腕に捕まってしまった。
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かず(プロフ) - こんにちは!ドキドキしながら読ませていただき、2つ分、一気読みしちゃいました!これからも更新、楽しみにしています! (4月21日 11時) (レス) id: 69d89bba8e (このIDを非表示/違反報告)
清乃(せいの)(プロフ) - わたあめさん» わたあめさん!コメントありがとうございます!とても嬉しいです!頑張ります!これからもよろしくお願いします! (3月17日 19時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続き楽しみに待ってます (3月17日 16時) (レス) @page30 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:清乃(せいの) | 作成日時:2024年2月20日 9時