#19 ページ19
私はいつ＿＿＿＿
｢あの＿＿＿＿好きです｣
この資料室から出たらいいのだろうか。
｢A資料室行く？｣
｢はい。もし必要なものがあれば、一緒に持ってきますよ｣
｢サンキュー！手離せなくて｣
そう言って深澤さんは付箋に乱暴な字で殴り書きをすると私に渡して両手を合わせる。
忙しい時の深澤さんは、なんというか
あぁ、この人モテるだろうなぁと思う。
的確な指示をしつつ、こっちも気遣ってくれて
責任は俺が持つからやってみろと男気全開な事言ってくれるから
深澤さんと一緒に仕事する人はいつも活き活きしてるんだよなぁと考えながら
誰がいるとか、人影とかそんなものを全く気づかずに忍びの如く静かに資料室に入る。
｢えーっと、これなんて読むんだろ…解読……｣
｢＿＿＿＿で、俺に話って？｣
聞き覚えが、聞き馴染みのある声が近くから聞こえてきて思わず振り返る。
メモの端の方をよく見ると
"ついでに目黒捕獲"
と書いてあって、きっと深澤さんは目黒くんが私の言うことを聞いてくれる確率が高いからそういう意図なのは分かってるのだけど
｢目黒くん、は、Aさんと付き合ってるの？｣
振り返った先に見えたものは、目黒くんと同い歳の女の子と
目黒くんが話している景色だった。
気まづい。
かなり気まづい。
話している。と言うよりは告白現場に遭遇しているのだから。
物音は立てたり、出て行こうものなら
雰囲気ぶち壊してしまうことは確実である。
だから私は、息を殺しながら小さく座って時を待つことにした。
｢それを知ってどうするの？｣
｢あ、えっと……好きなの目黒くん｣
人の告白を聞くというのは、なんというか
罪悪感が凄い。
目黒くんは、私の事を好きと言ったけれど別に私に固執しなくても
君を好きになってくれる人を選んだって、いいはずなのに。
｢ごめん。俺好きな人いるから｣
｢……それって、Aさん？｣
｢うん、俺、Aさん以外考えられない｣
なんで少し、ホッとしてるのだろうか。
いつからこんなに性格悪くなったのだろうか私は。
女の子は今傷ついているのに、私は＿＿＿＿。
｢悪い子発見ー｣
｢ｯわ！目、目黒くん……｣
私が驚くと、楽しそうにクシャッと笑う目黒くん。
｢ごめん、見ちゃって｣
｢いいですよ。寧ろ俺が本気だって伝わったでしょ？｣
そう言って私の髪を手で梳く目黒くんは優しい目をしてて
分かったから！と突き放しても良かったのに私は
＿＿＿＿ただ黙ってコクンと1回頷いた。
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かず(プロフ) - こんにちは！ドキドキしながら読ませていただき、2つ分、一気読みしちゃいました！これからも更新、楽しみにしています！ (4月21日 11時) (
レス) id: 69d89bba8e (このIDを非表示/違反報告)
清乃(せいの)(プロフ) - わたあめさん» わたあめさん！コメントありがとうございます！とても嬉しいです！頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (3月17日 19時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続き楽しみに待ってます (3月17日 16時) (レス) @page30 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清乃(せいの) | 作成日時：2024年2月20日 9時
