#17 ページ17
言葉でのやり取りだったのに、私が中々了承しないせいか
私の腕を無理矢理引っ張ろうとしてくるナンパ男さん達。
｢離してっ…！｣
｢遊んでたら楽しくなるから、俺らと遊びましょって！｣
｢ほんとに間に合ってるので…！｣
流石に若いと言っても大学生くらいの男の子の力に勝てる訳もなくて引っ張られて連れていかれそうになってしまう。
助けてと大きな声で言えばいいことは分かっている。
分かっているのに、だんだんか細くなる声のせいで出せない。
助けてと思ったのと同時に、私の頭の中には何故か目黒くんの顔が過ぎった。
彼も逆ナン中でそれどころでは無いだろうに、なんで思い浮かべてしまったのだろうか。
｢この人の泣きそうな顔させていいの俺だけなんだけど｣
｢はぁ？お前に関係……痛ｯ!!!｣
｢離せよ｣
聞き覚えのある声がそばに聞こえて瞑ってた目をゆっくり開けると、目黒くんが大学生の手を掴んでいた。
目黒くんは背が高い方だ、当然彼らよりも背が高くて
見たこともないような冷ややかな目で見下しているのが彼らにとって恐怖心を募らせる程だったのだろう。
｢俺も離すから、離せよ。……行こーぜ｣
バツが悪い顔をして、私の腕を離してくれた。
ありがとうと伝えようとしたのに、緊張していたのか急に足に力が入らなくてぺたんと座り込んでしまう。
情けなくて立ち上がらなきゃと思っていると
暑いのに、暑いと感じなくて
暖かいと感じる温もりを感じた。
｢マジで焦った。1人にするんじゃなかった。すみませんAさん｣
｢あ、いや、目黒くんの、せいでは｣
目黒くんが座り込んだ私を抱きしめているのだ。
張り詰めていた私の糸がプツンと切れてしまう。
無意識にきっと強がっていた。困った、なんて思って
本当は怖かったんだ、知らない人に急に手は引っ張られるしどこかに連れていかれそうになるし
断っても断っても諦めてくれなくて。
｢っ……来てくれて、ありがと……っ……｣
｢よしよし、Aさん。頑張りましたね｣
私の方が歳上なのに、安心してみっともなく彼の腕の中で泣きじゃくってしまった。
目黒くんは私を落ち着かせるように、頭を何回も何回も優しく撫でて。
｢も、大丈夫｣
｢だめです。俺がもっと抱きしめてたいので｣
｢もうだめ｣
そう伝えると、また嫌ですと頑なに離してくれない。
何にもわかってない。
私がどうして離して欲しいか。
｢恥ずかしい、から。だめ｣
｢…あー、ずりぃ……Aさん。可愛すぎ｣
私の早くなる心拍数を君に聞かれるのが恥ずかしいからだよ。
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かず(プロフ) - こんにちは！ドキドキしながら読ませていただき、2つ分、一気読みしちゃいました！これからも更新、楽しみにしています！ (4月21日 11時) (
レス) id: 69d89bba8e (このIDを非表示/違反報告)
清乃(せいの)(プロフ) - わたあめさん» わたあめさん！コメントありがとうございます！とても嬉しいです！頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (3月17日 19時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続き楽しみに待ってます (3月17日 16時) (レス) @page30 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清乃(せいの) | 作成日時：2024年2月20日 9時
