#13 ページ13
気分は最高に淀みを帯びていて、機嫌は悪い。
そんな私とは対称的に、快晴で空気も澄んでいる空。
毎年の事だから今年もお留守番を受理してもらえると思ったのに。
｢Aさんは今回も欠席？｣
｢はい、会社の為に仕事をしていたいので｣
｢君は本当に会社思いだね｣
｢まぁ、はい｣
というか、一回目は良いと言われたのだ。
仕事してくれるから有難いよ。とまで言われたのだ。
なのに、奴が＿＿＿＿目黒くんの欠席を聞き付けた女子社員が
目黒くんが行かないなら行きません！と口を揃えて言ったようで、人数が激変。
それだと楽しくないと社長が喚き始めて、私の元に。
あれは冗談の延長で出た言葉だと思っていたのに
本当に言うなんて思わなくて目黒くん本人に最初なんだから行ってきなさいと説得しても
｢好きな人いないと、楽しめないタイプなんですよ。俺｣
｢目黒くん……！｣
｢Aさんがいないと、俺行きません｣
頑なに行くと言ってくれずに1週間が過ぎ
社員旅行なのに社員の殆どが行かないというのも、社長が可哀想になってしまい
今私は、人生で1番嫌いな乗り物
いや、信頼できない乗り物の搭乗口にいるのだった。
｢A、顔怖いよ。せっかく沖縄行くんだから、笑おうよ｣
｢…千景は楽しそう｣
｢うん、だってAがいるの珍しいし、超楽しい｣
こう言われて嬉しくない人はいないだろう。
嬉しくてニマニマしてしまうと、千景がやっと笑ったと喜んでいる。
そんなに喜んでくれるなら、来たかいがあったかなとは思えるけれど
本当に怖い。
｢Aさん、隣になりましょ？｣
｢千景と乗るから他当たって｣
最悪、千景に怖いのがバレた所で彼女は良い人だから言いふらしたりなどしないだろう
目黒くんの場合、楽しそうに笑うだろうし揶揄う材料にしそうだ。
｢目黒くん！私と乗ろうよー！｣
｢あ！ちょっと！狡い！目黒くん、私はー？｣
目黒くん、良かったじゃないか。ご指名が沢山だ。
奥にいる深澤さんを見てみなさい。
きっと昨年まではあのボジション、深澤さんだったんだろう
指くわえて悔しそうにしているもの。
｢あー、すんません。俺、乗りたい人決まってるんで｣
え？と思って振り向くと、目黒くんは楽しそうに私の手を取って前にドンドン進み出した。
離してと言っても無視されるし、彼の歩くスピードが止まらなくて困ってしまう。
千景の方を振り向いても、手を振って口パクで頑張れなんて言ってくる。
｢目黒く…｣
目黒くんは私を窓側に座らせると楽しそうに隣に座った
｢逃がしませんから、Aさん｣
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かず(プロフ) - こんにちは！ドキドキしながら読ませていただき、2つ分、一気読みしちゃいました！これからも更新、楽しみにしています！ (4月21日 11時) (
レス) id: 69d89bba8e (このIDを非表示/違反報告)
清乃(せいの)(プロフ) - わたあめさん» わたあめさん！コメントありがとうございます！とても嬉しいです！頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (3月17日 19時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続き楽しみに待ってます (3月17日 16時) (レス) @page30 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清乃(せいの) | 作成日時：2024年2月20日 9時
