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｢いや、私は会社でお留守番してるから行かないよ？｣
｢今年こそ一緒に行こーよ、Aー｣
データ入力をしながら肩を後ろから揺すってくる千景。
入力ミスしたらどうするんだと思いながら一旦手を止めて振り向く。
千景が言っているのは社員旅行の事だろう。
正直気乗りしないのが本音である。
上司に気を使わなければいけないのも勿論なのだが
飛行機に乗るのが嫌すぎる。
鉄の塊が浮くなんて有り得る？あんな上から落ちたら一瞬で命尽きるし
高所恐怖症な私にとって申し訳ないがとても生命を預けられる乗り物では無い。
だから私は、毎年仕事するので不参加でお願いしますと言い続けているのだ。
｢A今年も来ないの!?お、俺と水族館行く予定は？｣
｢無いですね｣
｢ｸﾞﾊｯ…｣
何となく飛行機が乗れないことを知られるのが恥ずかしくて
外出るの嫌いなので、仕事好きなのでと誤魔化した理由で通してもらっている
｢何だか深澤さんが可哀想に見えなくもない｣
｢ただいま。2人して何の話？｣
｢阿部…よく聞け｣
｢うん？｣
｢Aが今年も……社員旅行欠席するって…！｣
そう言って席を立ち上がり、阿部さんに抱きつく深澤さん。
1部の女子社員から黄色い声が上がっているから需要はあるのだろう。
だけど阿部さんは、男に抱きつかれる趣味は無いとひっぺ返している
たまに出るブラック阿部さんだ。
｢社員旅行なんてあるんすか？｣
｢あ、目黒くんも、一緒がいいよね？｣
千景は何だか悪い顔をしながら目黒くんにそう聞いた。
目黒くんは、当然質問の答えが返ってこない上に質問をされて
頭にはてなマークを浮かべながら私を見る。
社員旅行は毎年実施されていて、行先は完全に社長のダーツで決めていることを教えると
某テレビ番組みたいだとゲラゲラ笑い始めた。
｢んで？目黒くんも、行くでしょ？｣
｢うーん、Aさんは行くんすか？｣
｢行かないよ、お留守番｣
そう聞いた瞬間に、目黒くんは楽しそうに目を細めて笑う。
好きとか言っておいて私がいない方が楽しいとか言うつもりなのか君は。
なんて、思いながら彼を見ると
｢んじゃ、俺もお留守番で｣
屈託のない笑顔でそう言った。
｢え、いや、行ってきなよ。それに、正当な理由が必要だし｣
｢えー、Aさんの正当な理由は？｣
｢…あー、仕事が好きだから仕事をしていたい｣
これで諦めて行ってくれるだろうと思っていたのが間違いだった。
｢俺は、Aさんが好きだから一緒にいたい｣
そう耳元で言うと
これも正当な理由でしょ？と、笑う。
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かず(プロフ) - こんにちは！ドキドキしながら読ませていただき、2つ分、一気読みしちゃいました！これからも更新、楽しみにしています！ (4月21日 11時) (
レス) id: 69d89bba8e (このIDを非表示/違反報告)
清乃(せいの)(プロフ) - わたあめさん» わたあめさん！コメントありがとうございます！とても嬉しいです！頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (3月17日 19時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続き楽しみに待ってます (3月17日 16時) (レス) @page30 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清乃(せいの) | 作成日時：2024年2月20日 9時
