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｢悪ぃ、ばーちゃんケチだから、んまい棒しかくれなかった｣
｢あ、そんなそんな……お構いなく…｣
シーン。効果音をつけるならこの効果音がお似合いな静まり返った空間。
折角翔太くんがおばあさんから貰ってきてくれたんまい棒が目の前にあるのに
食べられるお腹状況ではなかった。
｢よーしよし｣
｢しょ、翔太、くん…何して…｣
｢撫でてる｣
｢知ってます…｣
彼は私の頭を少し乱暴に撫でた。
んまい棒を食べながら、私の隣で。
｢話したくねぇなら聞かねぇ。けど、ここなら誰も見てねぇから泣けば？｣
いつの間にんまい棒を食べ終わったのだろうか。
翔太くんは私を引っ張って抱き寄せた。
私は彼の胸にすっぽり収まってしまって、背中をさする彼の手が妙に安心して
出さないように我慢していたソレが勝手に溢れ出る。
きっと話を聞いたら、なんでお前が泣いてんだよって言われるのは分かってる
私は泣くべきじゃないとわかってる。
｢ｯ…あ、うぅっ…｣
｢ん、頑張ったな、A｣
そんな優しい言葉をかけてもらえる人間じゃないと首を横に振る。
だって私は、さっくんの気持ちよりも私の気持ちを優先させてしまったから。
そのせいで、傷つけてしまった。
気まで使わせてしまって。
｢佐久間、そんなヤワじゃねぇよ｣
｢え…？｣
頭の上から降ってくる言葉に驚いて涙が引っ込みそうになる。
翔太くん、あの場面を見ていた？
私がさっくんを振っていたところを？
｢…偶然、見ちまった。悪ぃ｣
｢あ、えっ、と…｣
見ていて、そんな優しい言葉を掛けてくれるの？
いい人、だ。翔太くんは。
｢つーか俺は、佐久間振られて、よっしゃーって思ってるし。俺の方が酷くね？｣
｢そんな、こと…は…どうなんでしょう…｣
｢俺は好きなもんは譲らねぇし、誰が傷ついても｣
優しくて、私だけが酷いんじゃないって、そう言ってくれているような言葉を沢山投げかけてくれる。
そんな翔太くんに、悔しいけど惹かれてしまうし
胸がきゅーっと、心地よく苦しくなる。
｢…じっと見んな、アホ｣
｢あ、ごめんなさい｣
｢逸らすなっての｣
｢…翔太くんが、見んなって言ったのに…｣
｢気が変わった｣
＿＿＿＿恋してる、私。
確証を持ちたくなかった
見て見ぬふりしてた
冗談だから、この人たちの、傷つくからって
蓋していた気持ちの蓋が、もう限界のようです。
｢…も、ダメ、です｣
｢まだ1分も見てねぇのに、マジ可愛いなA｣
＿＿＿＿翔太くんが好きです、私。
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清乃(せいの)(プロフ) - あんこさん» あんこさん、初めまして！ありがとうございます！とっても嬉しいです！これからも頑張りますので、よろしくお願いします！…！知っているアニメで良かったです…!!一安心しました！笑これからもよろしくお願いします！(( *´ `) (2月14日 21時) (
レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 初めまして！とても引き込まれるお話で、毎回更新を楽しみにしています(*^^*)自分が知ってるアニメもたくさん出てきてそこも嬉しいです！これからも応援しています★ (2月14日 13時) (レス) id: e42437901a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清乃(せいの) | 作成日時：2024年1月31日 22時
