お隣の諸伏くん

お隣32日目 ページ34

「お前、これから一人行動なんてさせないからな」



『え、なんで』




「Aちゃんは危なっかしいから。僕とゼロで守ってあげないと」





保健室までの道をそう話しながら歩く。




私もう5年生だし、昨日のはかなりイレギュラーなだけであって守られる対象でもないんだけど…。





そう考えてるのが伝わったのか、降谷くんに釘を刺される。






「……去年、お菓子じゃなくおもちゃをくれるって言ったおじさんがAの友達の父親を騙ってそれについて行こうとしたの、忘れたとは言わせないからな」




「あれはびっくりしたよね〜、Aちゃん、不審者情報聞く度にお菓子で釣られるわけないのにね！って言うのにあっさり頷くんだもん」






…そう、私は去年友達の家の前にいたおじさんに、〇〇ちゃんのお父さんですか？こんにちは！と挨拶をした所、肯定したおじさんに車に連れて行かれそうになっていた。




その時たまたま待ち合わせをしていた2人が私を迎えに来ていたので、慌てて連れ出された。





私も典型的なおもちゃあげるから、に騙されるとは思ってなかったの。


ごめんと思ってる。





『あれは申し訳なかったと思ってる』




「僕達かなり焦ったからねアレ」



「大体、おもちゃに釣られる歳でもなかっただろ」






友達のお父さんだと思ってたから断れなかったの。

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