お隣の諸伏くん

お隣31日目 ページ33

『おはよ〜』





次の日検査を終えて学校に来れたのは11時半頃だった。




送ってくれたお母さんに頑張っておいで、今日の夜ご飯はオムライスにしてあげると頭を撫でられたので頑張ろうと思います。





教室に顔を覗かせると、友達はぎょっとした顔で駆け寄ってくる。






「え、え？？A風邪で休んでたんじゃないの！？大丈夫！？」




「痛そう、包帯取れかかってるよ」




『えへ、うんちょっと家の階段から転げ落ちただけだから！！…取れかかってるって？？』






私が片親なのは皆知ってるけど、理由までは知らないからあえて嘘をついた。




諸伏くんと降谷くんはジト目でこっちを見ているけど、別にそこは重要じゃないから良いの。






けどそれより今は包帯が取れかかってることが問題だ、1人じゃ巻けない。






『うへ〜、保健室行ってくるね！』




「うん、けど1人で行ける？着いてこうか？」





「いいよ、僕とヒロが着いてく」






友達がそう提案してくれれば、いつの間にか後ろに回って来ていた降谷くんがそう答えた。




降谷くんは保健委員だし当然かもしれないけど、諸伏くんは…？






『私1人でいけわふ、ひはいひはい！！！』





行けますと言おうとしたら降谷くんがほっぺたを引っ張ってくる、我怪我人ぞ？






「まあまあゼロ離してあげなよ、Aちゃん、僕もゼロも心配なんだ、お願い」




『…う、うん。わかった』






諸伏くんが困ったように笑うから了承せざるを得なくなった。

お隣32日目→←お隣30日目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す