お隣の諸伏くん

お隣19日目 ページ21

『お母さん…今日、お腹痛いから……学校お休みしたい…っ』



昨日の夜はどうしてか涙が止まらなかった。



女の子の友達とは喧嘩をしても次の日学校に行けば仲直りが出来ていた。



けれど、相手が諸伏くんだと思えば思うほど、悲しくて仕方がなかったんだ。





「…そう、後でお粥とうさぎさんの林檎持って行ってあげるから、きちんと寝てなさい」



『うん…』





きっとこれが仮病なのはお母さんも分かってる。




頭を撫でて私の部屋の方へ背を押してくるその手がいつも以上に優しくて、また涙が浮かんできた。




いつも優しくて、怒った感情なんて滅多に爆発させない諸伏くんに、あんな目で怒鳴られたのが何よりも怖かった。





『…ひっ……ｸﾞｽ』





思い出すだけで泣けてくるから、布団にくるまってまた泣いた。




目が覚めたのはもうお昼頃で、部屋の机にはお粥とりんご、それにお母さんからのお手紙があった。





【Aへ、お母さんは仕事だからもう行くね。きちんとご飯は食べること。初めて景光くんとケンカしてすごく悲しいのよね。けど、きっと景光くんも昨日はずっと同じくらい悲しい気持ちでいっぱいだったからAに思わず大声あげちゃったんだと思う。大丈夫、2人なら絶対仲直り出来るわ。頑張って】




諸伏くんは、私を嫌いにはなってないのかな…。

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