お隣の諸伏くん

お隣6日目 ページ8

『諸伏くんは、どこのクラスになるのかな！』




そんな疑問は自身の担任が出てきた時点で消えるはずだがこの時の私にはそんな察し能力はなかった。




「…っ」



『んえ？どうしたの？…あ、あの子？』




すたすたと2人で歩いていれば服の裾を引っ張られ足が止まる、諸伏くんが見つめる方へ目をやれば、




『降谷零くんだよ』




隣のクラスの男の子。





『Aは話したことないけどね、喧嘩がすっごく強いんだって！』



「……」






Aが感心した様に言ったからか、じどーっとした目で見られる、違うよ！！





『違うよ！！降谷くんは、毎回いじめっ子を返り討ちにしちゃうんだって！』




いじめっ子が悪いんだから、それは凄いでしょ？





『…あっ、え、こっち来る……』




「なあ、キミら何やってるんだ？今日はまだ学校休みだぞ？」




『この子が…明日から転校してくるから、学校案内、してるんだよ』





でもでも、それは降谷くんも同じじゃんか…？？


Aにはちゃんと口実があるけど、降谷くんこそなんでいるんだろう。




「ふーん？で？そっちのキミは？」





少し私の影に隠れてた諸伏くんは、びくりと肩を震わせ降谷くんと目を合わせる。



そして、私の裾を再び引っ張る。





『あ、えっと…』

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