お隣の諸伏くん

お隣15日目 ページ17

〈続きまして、5年生全員による特別遊戯です〉




『うひゃ〜緊張する…うげ！お母さんとおばさん一緒に見てる…』



「昨日一緒に席取りしたのに今更すぎるよ」





ダンスの配置的に並びが変わったので必然的に前になり、なんなら目の前に2人がいた。





『諸伏くんをよく見せてあげようと思ってあそこに走ったのに…』



「そうだったの？？なに、もしかして僕知らないうちにAちゃんから恨み買ってた？？？？」



『ううん、ビデオで諸伏くんがよく見えるように！って思って。ごめんね？』



「いくらでも見て！！！」






そんなやり取りを降谷くんが呆れてみていたなんて知らない。






「「景光〜A〜！！」」




「『やめてよ恥ずかしい！！！』」






親バカか！！やめてよ誰もそんな声掛けの仕方してないよもう5年生だよ私たち、やめてよ！！！(２回目)




普段2人に大声あげない諸伏くんでさえ叫んだよ。






「Aちゃんと景光くんもうセットだから大丈夫だよ！」




『胡桃ちゃんそれわざと？』




「えぇ？なんの事かぁ、胡桃わかんなぁい！」






んん、可愛い子がやると可愛いから腹立たない…っ！



そんな変な会話をしてると、自分の手が震えてるのに気が付いた。






『…っ、あれ？』





胡桃ちゃんに手を触られ、驚かれた。




「わ！Aちゃん手すっごく冷たいよ！？」




『ご、ごめん。今更緊張してきちゃって…すぐ収まる…諸伏くん？』





そんな私の手を横から救い取って諸伏くんが力強く握りしめてくれる。






「大丈夫だよAちゃん、僕もゼロもいるんだから！」

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