フリーター、1人が寂しい ページ25
『ただいま〜、みんなの一人娘が帰ってきたよ〜』
1人で喋りながら小さめのお仏壇の前に座る。
家族で暮らしていた家はもう使えないので、アパートを借りてお仏壇も買った。
『今日は陽翔が寝ちゃってから4年なんだよ、寂しいね...母さん達はそっちで何してるのさ、私だけ除け者?酷いな〜.....っ』
なんで私、1人なんだろう。
おばあちゃん達だっているし、生きてる親戚も何人もいる、家族だけがもういない。
それがどうしようもなく悲しい、毎日喚きたい泣きたい暴れたいそれじゃ足りない。
でも、私は生きていかなきゃいけない。
『なんで、いないのっ...私まだ未成年だよ、ひとりじゃ生きていけないのに!!』
頭を撫でて貰えないし、助けて貰えない
叱って貰えないし、正して貰えない
いずれは全部、自分1人でやっていかなきゃいけないけど、そのいずれはもう少し先が良かった。
『.......自分のご飯って美味しくないね、母さん...っ仕事で稼ぐのって楽じゃないね父さん...もっと、遊びたかったね陽翔ぉ...』
迅side
「ちょっと迅!何帰ってきてるのよ!!Aさんは???」
今日はあたしのご飯食べてもらおうと思ったのに!!と叫んでいる小南はとりあえず置いておく。
「あいつ、今日弟の命日だからな」
今日は帰ってこない、そう言うと小南は寂しそうな顔をした。
「Aさんって、家族の話私たちにほとんどしてくれないのよね...」
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作者名:ぱんぴー | 作成日時:2021年2月25日 14時