パンダの妹

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困ったように眉を寄せ目をつぶりながら自分を呼ぶAに、真希は案外甘いのだ


｢わかったからそんな顔すんなって。ほら、これ使えるだろ｣


『わわ〜！ありがとネー！』




普段から常備している薙刀を渡す真希



｢いくら、高菜｣




『うんうん！オッケーだヨ！行こうネー！』



準備は出来たか問う狗巻に今度は満面の笑みで答えるA


2人は話しながら廃病院の中に入る



もちろんその後ろにはパンダと真希がいる




｢まあ、たまにはあってもいいよな。こんなのも｣


｢まあな〜、オレあんまりAの祓い方見ることないし。万が一の事があった時に、今見といた方が連携取りやすいかもな｣



と、マイペースに喋っている2人だが目の前では既に2人が呪いと戦っている



｢"止まれ"｣

『ありがと、棘チャン！アイヤー！！』




言わずもがな、素晴らしい連携。そんな2人をみてパンダは言う



｢なあ見ろよ真希｣

｢あん？｣




｢オレの妹可愛いなぁ｣


｢お前のそのシスコンどうにかなんねーの？｣




ただのシスコンを発揮しているだけ


Aは戦いに夢中になっているため二人の会話は聞いていない



が、狗巻は聞こえている



何ともマイペースな会話に半ば呆れているのだ


(いくら…)



そうこうしているうちに1階の呪いは全て祓った様子




『おっ！終わったヨー！次行こ棘チャン！』


｢しゃけ！｣


そうして2人は走り出す

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