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「分からんのよ、この気持ちが何なのか…」
末「相談なら乗るで？」
そんな事を言う誠也は、私の気持ちが自分に向いているってことさえ分かってなくて。
「ちゃうんよ誠也。ごめん、私約束破ったかも、、」
最初は成り行きで。好きでも嫌いでもなく、ただの後輩として接していたから。話を聞けば、お互い過去の恋愛でしんどい思いを経験していた。
だったら、付き合うことに拘らず、会いたい時に会う。甘えたい時に甘えよう。
そうやって、誠也とは今の関係を続けてきた。
束縛しない、干渉しない。周りにバレてはいけない。
末「ゆっくりでええから話してみ？」
思っている事を只々伝えた。口から出てくる言葉は、誠也を困らせるって分かっているのに。
この前、私といる時に帰っていく誠也を見送った時。その時に分かった。欲がでてきてしまったと。
私に向けられる笑顔も甘えた顔も、好きやでって言うその言葉も。柔らかい唇も細長い指も。
全部、他の人にもやってること。
それを想像するだけで、胸が抉られるようにズキリと痛む。私にだけがいい。誠也は、私だけを見てくれたらいい。
「ごめん、これが今の私の気持ち。ほんまに、ごめん」
末「謝ることないやろ、」
誠也は私の頬を親指ですりすりとした。
末「普通に嬉しいわ。」
「えっ、」
ほんの少しの淡い期待。
末「他に会ってる子がおるんは事実やねん。彼女やないんやけど。Aと一緒で…」
「分かってたよ…」
末「ちょっと考える時間くれへん？…ちゃんと考える」
考えるってことは、すぐには答えを出されへんってこと。
けど、即答で『無理』って言われるよりかは何倍もマシ。
一年もこの関係を続けてきたのに、この一瞬で『めんどくさい女』になってしまった。
末「とりあえず今日は帰ろか、」
「分かった。」
末「送るわな。」
「いいよ、ここで。」
ほら、めんどくさい。
「食べすぎたから歩いて消費するわ、じゃあまた会社で。」
車から降りようとした瞬間、ふわりと誠也の香りに包まれる。
末「好きやで」
「私も。」
『好き』って言葉がこんなに重々しいものやと気付かされた。今まで恥ずかしながらも伝えていた『好き』とは違う。だからこそもう、そんなに簡単に口には出来ひんと思った。
「大好き、誠也」
きっとこれが誠也に伝える最後の大好き。
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ゆうゆ(プロフ) - ふさん» えぇえ🤩ほんまですか、嬉しすぎますー！コメント見てニヤけました🤭❣️ (2023年3月17日 21時) (
レス) id: adb2dda066 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - この作品大好き過ぎます、🥺💓これからも楽しみにしてます✊🏻🌟 (2023年3月17日 14時) (レス) @page39 id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうゆ
| 作成日時：2023年2月17日 14時
