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不審者 ページ3

「ああよかった…大事な紙は無事だ」


幸いにも被害はどうでもいい連絡事項のプリントに、既にいらなくなった授業のプリントでとどまっていたようだ。

ほっと胸を撫で下ろす。



「お前、いつの間に入ったんだ?」


黒猫をベッドからおろし散らかったプリントを片付けて、俺は振り返る。

黒猫は行儀良くちょこんと座っていた。
まるで片付け終わるのを待っているようだ。


「利口な猫だなぁ」


身体は痩せていないし毛並みも良い。人にも慣れている。
飼い猫かと思ったが、首輪もしていない。
右目を開けていないのは、病気か何かだろうか。


黒猫は、俺が片付けを終えたのを見計らってか、足元に寄ってきて頰をすりすりと寄せている。


「……腹減ってんのかな」


そう思って、冷蔵庫へと向かう。



「うっわ…見事に固形物がない」


我ながら、冷蔵庫の中身に引いた。

プリンで頭がいっぱいになって、すっかり晩御飯の事を忘れてしまっていた。
帰りにスーパーにも寄って行けばよかった。


「うーん、とりあえず牛乳でいいのか?その他は……ダメだ、水しかない」


思わず深く溜め息を吐く。


「流石にこの寒い中外に放り出すわけにもいかないし…うちはペット禁止だからなぁ。早く飼い主を見つけてあげないと」





「なあんだ、じゃあ人型の方が良かったんだね」

「………え?」


聞き慣れない男の声が耳のすぐ近くから聞こえた。
同時に、後ろから腕が伸びてきて俺の身体を割れ物を触るように優しく抱きしめた。


「はじめまして、A君」


伸びてきた腕が俺の顔に触れ、横を向かされる。


「っ…!?」


鼻先がぶつかりそうな至近距離に、やはり見知らぬ男の顔があった。

黒髪に、やけに長くのばした前髪で右目を隠している、恐ろしい程に整った顔立ちの男。


心臓が大きく脈打った。
驚きのあまり、身体が石のように強張って動けない。



「食べるものなら、君がいいなあ」


男の顔が更にゆっくりと近付いてくる。

これ以上近付けば、俺とこの男がキスしてしまう事に…




そこではたと我に返った。


俺は寸でのところで男の腕から脱出する。
抱きしめる腕に力がそんなに込められていなかったから簡単に抜け出す事ができた。

そのまま男から距離をとり、机に置いておいた携帯へと手を伸ばす。




「もしもし警察ですか?」

「た、対応が冷静過ぎるよA君!待って通報ちょっと待って!」

悪魔→←ポルターガイスト



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ハルキ - いくら中性的で女に間違われるからって...男の娘とは言わないと思います...(男の娘地雷ッス←関係ない) (2021年10月11日 21時) (レス) @page22 id: 8862a535cf (このIDを非表示/違反報告)
アリア - なんで儂好評価してないんだろ。バカか (2019年7月12日 17時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 面白いです…!!!100個目の評価は頂きました←。更新頑張って下さいね!陰ながら応援しております。 (2019年3月19日 15時) (レス) id: 9c512a775a (このIDを非表示/違反報告)
アーテル(プロフ) - らいさん» 返信遅れて申し訳ありません。コメントありがとうございます。時間を見つけて書き進めていく所存ですので、今後ともご愛読の程宜しくお願いします。 (2019年3月18日 15時) (レス) id: 5f656bed23 (このIDを非表示/違反報告)
らい - 続きが気になります。 続き楽しみにしています。 (2019年2月23日 16時) (携帯から) (レス) id: 2b97e5f6a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アーテル | 作成日時:2019年1月3日 14時

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