【浦島坂田船】大好きなうらさかと大嫌いなしません

□ eleven ページ11

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Aがセンラに腹を立てながら自室へと戻っていく。女の子に豚と言い放つなんてデリカシーがないにも程がある。しかもAに……！くっ、許せん。でも体型のことを馬鹿にしたんなら少し可笑しな点がある。

確か豚って、脂肪はそんなにないんじゃ……？
あれほとんど筋肉だって、聞いたことあるけど。あれ。あれあれ〜？センラくんは知らなくてそんな事言ったのね。勉強不足〜




｢なぁ、センラ。豚って体脂肪率そんななくて、あれほぼ筋肉だって知っとった？｣




俺はセンラが｢知らんかった｣と目を丸くする姿を想像して意地悪に話しかけた。
しばらく待っても返事がないので、顔を覗き込むとお菓子の箱を乱暴に顔に押し当てられる。




｢痛った！何やねん！おま……｣

｢しっ……｣

｢え？｣

｢知らんかったらあんなん言うてへんわ！！｣





真っ赤な顔になりながら怒鳴るセンラ。
え？知っとったんならわざわざ豚なんて言う必要なくね？罵るんならもっと他にあったやろ。俺が許さんけど。何で言ったん。
……はっ、まさか。





｢Aに構って欲しくて、あんなん言ったん？｣


｢〜〜〜っ！……悪いか。｣







火照った顔をぷいっと横に向けるセンラ。
何やこいつ……。嫌いだの豚だの言っておきながら好きやないかい！！
ツンデレが過ぎるわ！
うらさんだけかと思っとったのに……。まさかセンラもライバルとは。

某チョコレートがかかった棒状のお菓子の真っ赤な箱と、センラの顔を見比べて一言、発した。



｢真っ赤。｣





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