【浦島坂田船】ようこそ帰宅部へ

帰宅3 ページ3

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それから先生の話や自己紹介を終え、意外と早く放課後がきた。最初は午前中くらいで学校が終わる。こちらとしては都合が良いのだが。

そして今は部活動の紹介ポスターを見ているところである。
多種多様な部活に俺とまーしぃは目を輝かせる。


｢部活多くね……？！｣

｢中学の倍くらいあるぞ、なんだ数学部って｣


野球部からうどん部まで本当何でもござれだ。
するとまーしぃが興奮気味に一つのポスターを思い切り指さした。


｢俺この部活入る！｣

｢演劇部か、いいんじゃないか｣

｢うらさーん！まーしぃ！！｣


遠くから坂田とセンラがこちらに向かってやってくる。そう言えば二人は同じクラスなんだっけか。


｢見てよこれ！｣

そう言ってポケットの中身を探っているのは、坂田優。とんでもないあほでたまに予想の斜め上をいったりするが、基本的には良い奴。


｢何だよ坂田、帰宅部のポスターでも見つけたか？｣

｢いやそれが……｣


そう引き気味に笑っているのは、折原センラ。言動が大人びている。たまにゲスいけど頭いいし、頼れる奴。


｢ほら見て、帰宅部のポスターマジであるんやけど｣

｢はぁ〜……｣


センラのこの溜息は坂田が何か面倒臭いことを発見した時の溜息だ。

てか、マジであったんかい……。

ポスターに手をかけたその時だった。
高らかな女の笑い声がしたのは。



──── この出会いが俺たちの高校生活を左右するとはまだ、微塵も思っていなかった。


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