夢番地 *black* (ページ46)

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目「目真っ赤になっちゃったね」

「っ、、うっ、、っ、」

目「よく頑張りました。
...俺の足なんかよりもずっと、」

「っ、、ぅうん、」

ポロポロと流す伊藤さんの涙は不謹慎かもしれないけど、とても綺麗なもので。

ほんとによく頑張ったよ。
いや、いまも頑張ってる最中か。

さっき俺がもらった言葉をそのまま返せば、抱きしめている俺の胸のなかでフリフリと顔を横に振る。

そんな伊藤さんが可愛すぎて、バレないようにひとつだけ髪の毛に口づけを落とした。

しばらくすると落ち着いてきたのかすっかり泣き止んで。

夜ご飯の時間も過ぎてるし、あたりも暗くなってきたからゆっくり宿に帰ることにした。

伊藤さんの足取りは少し重そうで。
あんな形で部員全員に知られてしまったんだ、無理もない。

でも何があったって俺が守るから。
そんなに怖がる必要ないよ。

それに、うちの部員たちにあんなに意地の悪い奴らはいない。

むしろみんな伊藤さんのこと大好きだしな。

目「ん、」

「…？」

目「俺からの＂おまじない＂」

そういって俺は伊藤さんの右手を握った。

目「どんなことがあっても守るから。
大丈夫。俺を信じて。」

こんな言葉、半信半疑だと思う。

でも俺は絶対に嘘つかないから。

宿についた俺らは、みんながいるであろう食堂に向かった。