夢番地 *black* (ページ42)

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目「お疲れさまです。」

俺がそう一言言えば、今日の俺へのプレーに対して不満を持ってる部員が多かったから、全員が各々の話を止めてこの状況に目を向けた。

『ちょ、やめてくださいよ。俺ら悪者っすか？』

『＂サッカー＂しただけじゃないっすか。
それに挨拶しにきただけっす』

嫌味にも程がある。
挨拶とはいえ、わざわざ言ってくるなんて。

誰もがキレそうになったとき、

「、、いい加減にして。」

立ち上がって反論したのは、意外にも伊藤さんだった。

「スポーツマンシップに欠けすぎてるプレーだった、」

『あ？』

「あんなの、サッカーじゃない。ただのイジメと一緒だよ。」

『...お前に言われる筋合いねぇんだけど。』

相手は伊藤さんに詰めて寄ると、そのまま言葉を続けた。

『っていうか、お前にそんなコト言う資格ねぇだろ。』

「っ、」

『ちょうどいいじゃん、部員の皆さんもいることだし。
俺らから忠告しときますわ。』

「っ、めて」

『皆さん知ってると思いますけど、こいつ

ーーーーあの＂伊藤蓮翔＂の娘っすよ？』

「「「「「ーーーえ、、？？」」」」」

今、いとうれんとって言った？

伊藤さんが、あの人の娘、、？？

『チームメイト殺しちゃって、

挙句の果てに責任逃れで自分も自殺しちゃった。』

「や、めてっ、！」

『えー、この感じマジでみんな知らなかったんだー』

『まぁ、そういうことで。
皆さんも気をつけてー。
くれぐれも目つけられて恨まれないように、なんてね』

目「お前らいい加減に、っ、

ーーー、っ、伊藤さん！！！」

なんなんだよ、コイツら。

伊藤さんはこの場に耐えきれず
どこかへ走っていってしまった。

なんだよ、負けた腹いせかよ。
ひと通り言い放ったら笑いながら帰っていきやがって。

その姿を追いかけてボコボコにしてやりたい。

こぶしを握りしめて立ち上がった時、

ラウ「めめくん！伊藤先輩追いかけてあげて」

目「くそっ、わかってる、っ！」

俺が向かうべきはアイツらじゃない。

彼女が大切に巻いてくれたアイシングを乱暴に引き剥がして、すでにどこかまで走ってしまった伊藤さんを追いかけた。