夢番地 *black* (ページ40)

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目黒side

前線が上がれば彼女もラインに沿って並走してくれる。

ラインズマンなんだから別に俺のために並走してくれてるわけじゃないってわかってるけど。

でも、たったそれだけのことなのに、同じフィールドにいるっていうだけで自分でもびっくりするほど力が湧いてくる。

さっきまで痛んでいたはずの左足も嘘のように痛くなかった。

『そろそろ交代したら？もう左足限界だろ？
それとももっとイジメてほしい？？』

目「.....、」

久々に俺まで通ったボール。

ーーー抜かれたあとの想定してないと思うんだ
ーーー右側に大きくスペースが空くときがあるの

確かに、コイツ俺の足元しかみてない。
周りのヤツもフォローに来る様子はない。

俺が抜けないってまるでわかってるかのように。

改めて理解したらムカつくわ、、

『お前に俺は抜けない』

目「ごちゃごちゃうるせぇんだよ」

ーーー左足、信じてあげて
ーーーだいじょうぶ。
ーーーもう大丈夫だよ

そうだ、信じろ。

大丈夫。

今の足は、
伊藤さんが守ってくれてる。

目「______、、」

『っ、！？』

何年ぶりだろうか。

左足を使ってドリブルを蹴りこむ。

スピードに乗って、もう一度フェイントをかければ一瞬にして相手はいなくなる。

抜きに出た右側には大きなスペースが空いていて。

周りのヤツが慌てて間合いを詰めてくる。

....ははっ、もう遅ぇよ、

キーパーも慌ててるのか少し前に出てきちゃってるし。

信じろ。

左足に思いっきり体重を乗せて、

右足を振り切れ。

いけ、

いけっ＿＿＿＿＿！！！！！！

ーーーパスッ
ーーーピピッーーー！！！

「「「うおぉぉーーー！！！！」」」

目「っしゃああーーー！！！！」

『うおぉー！！めぐろー！！』

ラウ「めめくん！ナイス！！！」

みんなが俺に向かって走ってくる。

囲まれて頭やら背中やらをバシバシ叩かれて。

思わず伊藤さんを見れば、小さくガッツポーズを見せてくれた。