夢番地 *black* (ページ38)

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目黒くんと1対1をやるたびに違和感があった。

抜く時は最後に必ず右足を使ってくる。

利き足なのかもしれないけど、それにしても多すぎる。

特に目黒くんのように上手な人には珍しかった。

それでも完全に抜ききるスピードとテクニックがあるんだから凄いんだけど。

シュートを打つ時も、軸足の踏ん張りが弱い時がある。

.....もしかして怪我でもしてるのかな？

そう考えれば違和感も全部納得できて。

そのわりには積極的にケアをしてる様子もないから心配になっていた。

練習試合が始まると、控えとしてアップしている向こうの学校の人からよく目黒くんの名前が出ていた。

『あいつ中学選抜出てた目黒だろ？』
『え？海外のチームいったんじゃなかったっけ』
『お前知らないのかよ、』
『なにを？』
『目黒って＿＿＿＿＿。』

「、！！」

その先の言葉を聞いたとき、目の前で行われている目黒くんへの強いプレスプレーに胸が締め付けられた。

さっきから狙われすぎている。

それに目黒くんの顔つきも少し痛みに歪んでいる時がある。

....知ってるんだ。向こうの人たちは。

だとしたら、今はインターハイ前の大事な時期だから練習試合でそこまで頑張る必要ない。もう交代した方がいい。

そう誰もが思っていたのに。

目「ゴール決めるまでは下がりたくないっす。」

彼の意志は頑なだった。

ーーーマークされたくらいで下がれるかよ
ーーーってか狙われるってかっこよくない？笑
ーーーそれでゴール決めるからこそ俺だろ

アノ人もそんなこと言ってたな。