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「...よくこれであんなに走れてたね」
目「ははっ、気合い？」
「もう、、」
目「別にこれくらい余裕。ほんとに。」
「後半もフルで出るの、？」
目「もちろん」
「....わかった。」
すると、伊藤さんは何種類かのテーピングを取り出した。
「さっきのミーティングでさ、あえて目黒くんに人集めて、他のみんながボールもらいに行けって言ってたでしょ？」
蓮「ん？ あー、うん。」
伊藤さんは話しながらも手際よく俺の足にテーピングをしていく。
きちんと固定されるように固めのテープでロッキングしてから、伸縮性のあるものでしっかりと巻いてくれて。
「それってむしろ向こう側の最善策だと思うんだ。
実際あっちのディフェンスが厚いから、目黒くんがボールを持っても他のメンバーが前線に上がってこれてないの。
だからゴールまで繋がらないように上手く潰されてる。」
目「…たしかに、」
マークが強い分、俺がシュートを打てないならせめてアシストしたいと思っても、誰もそのスペースにきてくれずタイミングが合わなかった。
「あの人たちね、
さっきから目黒くんの左足のことしか見てないの。」
目「え？」
「目黒くんを止めれば終わりって考えてる。
だからね、抜かれたあとの想定してないと思うんだ。」
目「……。」
「目黒くんの足元に集中しすぎてて周り見てないから、追っかけすぎて右側に大きくスペースが開く時があるの。」
目「じゃあ、」
「うん。
ソコが見えた時、絶対にドリブルで抜ける道ができるはず。」
いつの間にか完璧にテーピングがされていて。
マネージャーが巻いたというよりも、整形外科の先生に巻いてもらったかのような完璧なものだった。
「目黒くんのドリブルなら絶対抜ける。
キーパーはあんまり経験なさそうな子だし、ゴール前に行けば決まるよ。
ファールされてもエリア内でPK取れる。」
目「...伊藤さん、」
「目黒くん、
もっと自分の左足、信じてあげて」
目「ーーっ、」
「だいじょうぶ。もう大丈夫だよ、」
何も知らないはずなのに。
ーーーこれじゃまるで��アノ時の俺��を知ってるみたいで
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作者名：＊yuki＊
| 作成日時：2024年1月9日 21時
