夢番地 *black* (ページ34)

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目黒side

合宿練習最終日。

午前の練習が終わって、午後は練習試合をする予定で。

チーム分けがどうなるか楽しみだななんてラウールと話していたら、コーチから予想外のことを言われる。

コーチ「宿が一緒になったのも何かの縁ってことで。静岡の学校さんと試合することになったぞ。」

目「まじかよ、」

ラウ「...？」

きっとランドリーで会った奴らがいるはずだ。

...伊藤さん、大丈夫かな。

ふと彼女を見たけど、特にいつもと変わることもなくコーチの話を真剣に聞いていた。

俺が気にしすぎなのかな、

でもあの時の伊藤さんは明らかに辛そうな表情だった。
あんなに追い詰めたアイツらが気に食わない。

まぁいい。

サッカーで決着つけれるならそれほど好都合なことないし。

それに今夜は、約束した2人で会う日だ。

目「ラウ、ぶっ潰すぞ。」

ラウ「え、なに。怖いんっすけど、」

つくづく俺って単純だと思う。
でも、いつも以上に闘志に火がつくには充分だったんだ。

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コーチ「礼！」

レギュラーメンバーがそれぞれ顔を合わして形式的な礼をしたあと、各自ポジションへと散っていく。

よりによって、俺のマークは伊藤さんに絡んでた奴らの1人で。

他の奴らもレギュラーか。

ぐちぐち言ってた女の人もマネージャーとしてベンチにいた。

『へぇー、目黒ってお前だったんだ』

目「だったら？」

『どうよ、その後の足の具合は』

目「......、」

『ははっ。
まぁまぁ。正々堂々やろうよ』

完全に舐めてんだろ。
イラっとしたけど、こんなんでメンタル崩されてる場合じゃない。

今は目の前の試合に集中するだけだ。