夢番地 *black* (ページ25)

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ラウ「伊藤先輩、おはようございます！」

「おはよう、村上くん」

ラウ「もぉー。ラウールでいいですって！
っていうか今度フェイント教えてください！おれワンパターンしかなくて、、」

「ぇっ、？わたしが教えれることなんて、」

ラウ「さっきのめめくんがビクってなってたやつ！あれやりたい！」

「ぁ、あれか。
ふふっ。やってみる、？」

ラウ「やりたーい！！」

目「おい、」

でた！
俺がちょっとでも伊藤先輩に絡んでたらコレだよ。

ラウ「おはよう、めめくん！」

目「...伊藤さんと1対1やっていいの俺だけだから。」

俺にしか聞こえないトーンでいってくる。

ラウ「きゃは！妬いてるのー？」

目「お、まえっ！！」

香山「こら！あんたたちも練習の用意する！
目黒！伊藤ちゃん片付けてるよ！」

目「うわ、伊藤さんそれ俺やるからいいよ。」

「だいじょうぶだよ、ついでだから。
それより、ちょっと足休めたほうがいい、と思う」

目「ーーえ、？」

「水分もちゃんと取ってね、」

俺たちの横を通り過ぎて、香山先輩と準備に行ってしまった伊藤先輩。

その後ろ姿をボーっと見てるめめ君。
そして、ふと足に目線を落としていた。

ラウ「...痛いの？」

目「いや、だいじょうぶ」

ラウ「ほんとにっ？」

目「マジだって。なんともない。
...てか、痛そうにみえた？」

少しだけスパイクの靴紐を緩めて、左足首を回しながら聞いてくるめめ君。

ラウ「いや、別にそんな風には思わなかったけど、」

目「...だよな」

さっきまでの楽しそうな顔にほんの少しだけ雲がかかってしまっためめ君が心配になったけど、その後の練習も難なくこなしてたし左足も本当に大丈夫そうだった。

ラウ「はぁーーー、マジで疲れた」

目「な？キツいって言ったろ？」

ラウ「明日もこれっすか？」

目「なんなら明後日もこれです。」

ラウ「マジかぁー！！」

言われていた通り、確かに地獄のような練習メニューだった。
うちの高校は元々レベルは高めな方なんだけど、今年は特にいいメンバーが揃ってるし、インターハイも結構イイところまでいけるんじゃないかって思う。

目「伊藤さんにいいとこ見せたい」

ラウ「うわ、どストレート。」

目「てか、勝ちたい。」

ラウ「それは俺もそうっすけど、」

目「気合い入れるぞ」

ラウ「もぉー。ほんとに単純！！」

香山先輩のいう通りだ。

ほんとに、
サッカー馬鹿のめめ君に戻ってきてる。

俺は嬉しくてたまらなかった。