夢番地 *black* (ページ23)

今日:71 hit、昨日:49 hit、合計:123,405 hit

- 23 - ページ23

.

ラウールside

目の前に信じられない光景が広がってる。

めめ君から夏練は地獄だから気合い入れろよと脅されたのを真に受けて、変に早起きしてしまった。

まぁ、1年だし。早めに行って準備でもしておこうと来てみたらすでに練習してる人たちがいて。

楽しそうにボールを追いかけ合う2人は

よく見れば、めめ君と、、、伊藤先輩で。

目「あー！！くそっ、！あと1センチで届いたのに！！」

「あぶなかったぁー、」

目「あの目線のフェイントは引っかかるわ」

「ふふっ。
ビク、ってなってたよ」

目「なるよ、あんなの！」

え、なにこれ。

ちょっと待って。

なにこれ！！

なんで普通に1対1が成立してるの！？

しかも伊藤先輩のステップとかシュートのフォームとかやばいんだけど！

それよりも、、

ラウ「伊藤先輩ってあんな顔で笑うんだ…」

今まで見たことのなかった先輩の笑顔に引き込まれてる自分がいた。

目「伊藤さん疲れてない？」

「うん。まだ大丈夫だよ」

目「ほんとに？
ラストもう一本付き合ってくれる、？」

「ふふっ、負けず嫌いだ、」

目「ははっ！バレた？
自分が勝って終わりたいです。」

「じゃあ全力で止めなきゃ、」

目「よろしくお願いします」

そう言って自然に攻守交代している。

めめ君嬉しそうな顔してんなぁー。
そりゃあ大好きな子と大好きなサッカー出来てるんだからそうなるか。

声を掛けたくても掛けれない雰囲気に俺はただ突っ立ってみてることしかできない。

香山「うわぁー、なにあれ」

ラウ「っ！？、香山先輩！？」

見入ってたら突然後ろから声を掛けられてびっくりしてしまった。

香山「おはよう、ラウール。
で？これどういう状況？」

ラウ「おはようございます。
見たまんまです、というか、、
俺が来た時にはすでに白熱してました…」

香山「あははっ！そうなんだ。
それにしても伊藤ちゃん上手いねー」

ラウ「ホントですよね。
下手したら俺らより動けんじゃないっすか」

香山「目黒もいい顔してる。
あたしさー、アノ2人見てるの大好きなんだよね。」

ラウ「、、？」

香山「...色々あったじゃん、目黒。」

ラウ「ぁぁ、、まぁ」

香山「なんならあのまま中学でサッカー辞めちゃうと思ってたから。」