夢番地 *black* (ページ3)

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職員室を出て、入部届とは別にもらった「部活動一覧表」をみながら校庭を進む。

最初は運動部の紹介か。

陸上部・テニス部・バレーボール部・バスケ部....

【サッカー部】

嫌でも目に止まってしまった文字。
きゅっとなる胸を抑えてまた深呼吸をしようと用紙から目線を上げた時だった。

『あぶないっ！！』

声がした方をむけば、宙に浮いたサッカーボールがちょうど私に向かってきていた。

避ける間もなさそう。

こうなったのはきっと【サッカー部】の文字を見たからだ。

最悪だ、、

そんなことを思いながらも身体は無意識に動いてしまう。

『避けて！！』

そんな言葉は耳に入らず、

自分の元へきたボールを胸でトラップして膝・甲と順番に落とし、最後は少し強めに蹴り上げて右手の上に乗せた。

ーー久しぶりに触ったな、

向こうで練習しているサッカー部のものであることは一目瞭然で。

飛んできた方に向き直すと部員全員の動きが止まっていて私に視線が集中していた。

目「伊藤さん！」

まさか私の名前を知ってる人がいると思わなかった。
よく見ると目黒くんがこっちに走ってきている。

ーーそうだ、早く返さないとみんなの大事な練習時間を削ってしまう。

それにこんなところまで走らせてきてしまったら申し訳ない。

「、ごめんなさいっ、！」

バッグと用紙を地面に置いて、目黒くんの方にボールを投げる。

目「ーーっ！！」

急に投げたからびっくりさせてしまっただろうか。
私も駆け寄って行って手渡しの方がよかったかな。

何が正解だったのか考えてみるけど、でもそれ以上に、みんなからの注目を浴びていることの方が耐えられなくて。

目黒くんがボールを受け取ったことだけは確認して、とりあえず一礼だけしてバッグを掴み家に向かって走った。

明日ちゃんと謝ろう。

もう、今日は最悪な一日だ。