夢番地 *black* (ページ17)

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目黒side

伊藤さんがマネージャーになってくれてから、今まで以上に部活がやりやすくなった。

単純にマネージャーが2人になったことで効率も上がったと思うし、伊藤さんは相変わらず口数は少ないけど、ホントに些細なことでも先回りして動くさりげない気遣いが有り難かった。

常にフィールドを見てるし、どちらかというとプレーヤー目線で動く姿にあの鬼コーチですら感心してるほどだった。

今日から学校は夏休み。

もうすぐあるインターハイで勝つために日々頑張ってる俺らだけど、あまりの練習のキツさと夏の暑さに部員たちは少しだけ心が折れそうだった。

ただ、ド根性タイプの俺。
夏練の初日からこんなんじゃダメだと思ってちょっとでも早く行ってシュート練しようと思い学校に向かった。

案の定一番乗り。
管理人室へ行ってボール倉庫の鍵を受け取ろうとした時だった。

管理人「鍵？もう渡してるよ？」

目「え、、？
そうっすか。すみません、失礼しました。」

グラウンドには誰もいなかったけどな、、

入れ違いだったか。

なんて思いながら倉庫の扉を開けると確かに鍵は開いていて。

ーーーガラガラガラッ

電気はついてるんだけど、外の日差しの方が強くて目が慣れずなかなか前が見えない。

「ぁ、、」

目「.....？あれ、伊藤さん、、？」

「ぉはよう、」

目「おはよう。
って、こんな時間から何してるの…？」

倉庫の中にはまさかの伊藤さんがいた。

どうやら俺らの練習ボールを仕分けているようで、床はカゴから出されたボールで溢れていた。

「ぁ、えっと、、ごめんなさい」

目「あはっ、なんで謝るの」

「使うよね、？
コッチのは大丈夫、だから」

どうぞ、と俯きながら俺にカゴを差し出した。

目「ありがとう。
ソッチのはなんかあったの？」

＂大丈夫＂に入っていない床に出てるボールが気になった。

「えっと、」

目「何をやってくれてるのか教えてくれたら嬉しいなーって思って。」

「空気、」

目「くうき？」

コクコクと頷きながら、彼女の足元を見ると空気入れがあった。