夢番地 *black* (ページ12)

今日:12 hit、昨日:49 hit、合計:123,346 hit

- 12 - ページ12

.

なんか、触れてはいけないというか。

触れるべきではない、というか。

上手く言えないけど
「今」じゃないって俺の勘がそう働いた。

伊藤さんのことを知っていくのは
ゆっくりじゃなきゃいけない、って。

ラウ「...っていうか
ロクにしゃべったことないって言ってたのに
どうやって仲良くなったんすか？」

目「えーっと、俺が質問して、
うんとかううんって答えてもらって会話してた」

ラウ「それインタビューじゃん。会話って言わないよ？」

目「部活迷ってそうだったから。

どう？って」

ラウ「、、で？」

目「うーんって感じだった。」

ラウ「ダメじゃないすか」

目「サッカー好き？って」

ラウ「え？好きか聞いたの？急に？
そりゃ好きでしょ！あんだけボール扱えれば！」

目「きらいじゃないってさ。」

ラウ「、なんすかそれ」

目「じゃあ俺が好きにさせればいいじゃんって」

ラウ「...めめ君ってほんと単純すぎるっていうか、、

馬鹿っすよね」

目「ん？」

いま聞いた会話の流れ、
正直最初から最後までなんか間違ってますよ
って冷静に言われた。

ラウ「とりあえずめめ君が伊藤さんのことめっちゃ好きっていうのは伝わりました」

目「うん、好き」

ラウ「きゃは！！まっすぐ！！」

こんな風に女の子に惹かれたのは正直初めて。

めめ君のこと全力で応援しますからね！って言ってくれたラウールが生意気だから首根っこ掴んでぐりぐりしてやった。

そのあとも話が尽きず笑い合う俺ら。

あんなにキツかった練習のあとなのに、

家までの足取りはとても軽かった。