かわらないもの *blue* (ページ10)

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右脚を引きづりながら歩いてると

急に片側が軽くなる。

翔「ひとりじゃ無理だろ、馬鹿」

「...、平気」

翔「はいはい、こういう時は甘えとけって」

支えてくれたのは翔太で、

嬉しさも一瞬あったけど、もう色々と複雑な何とも言えない気持ちになる。

ねぇ、翔太
私負けたんだよ
あんなに勝てるって言われてたのにさ

何か言ってよ、、
いつもみたいに悪態ついてイジってよ、

優しくしないでよ、、

「...ひとりで、行けるってば」

翔「はぁー、、
お前ってほんと可愛くねぇーな、」

「ーーー、っ！」

ダメだ、もう限界だ。
脚も気持ちも。

ミーティングで泣かなかったのに、何で今はこんなにも涙が溢れるんだろう。

「、わたしなんてどうせ可愛くなんてないよっ！」

翔「...は？なにキレてんの？」

「離してっ、」

翔「なぁ、落ち着けって」

「もう、ほっといてよっ、！！」

ーーーパシッ、、

気がついた時にはもう遅かった。

支えてくれていた手を振り払い、挙げ句の果てには青いリストバンドを翔太に向けて投げ捨ててた。

翔「...そーかよ、勝手にしろ、」

ごめんね、翔太
翔太は何も悪くないのにね。
私が勝手に盗み聞きして傷付いただけなんだから。
自分の実力不足で負けて、勝手に怪我したのに。
翔太に当たるなんてもっての外ってわかってるのに。

来た道を戻っていく翔太の背中をみて、

全てが終わったんだって悟った。

少し冷静になれば一気に寂しい気持ちになってその場にうずくまる。

捨てたはずのリストバンドは古びた床には似合わないほど綺麗な青をしていて。

もう一度拾って、止まらない涙を抑えつけた。