心配すんな ページ44
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ーーーカタカタカタッ
「んっ、」
アラーム音ではない規則正しいキーボードの音で起きる。
きっと幻聴でも聞こえているんだろう。
そう思いながらスマホを見れば23時を表示していて。
30分のつもりが2時間以上寝てしまっている。
やばい、と思った時だった。
「、なんで、？」
翔「......。」
キーボードの音は幻聴なんかではなく、目の前のデスクにいる翔太が奏でるものだった。
「ねぇ、」
翔「...、」
私の声掛けに無視し続ける翔太。
帰ったはずじゃなかったの、？
翔「これ、一回確認して。」
そう言ってUSBメモリーを差し出してきて、訳も分からず自分のPCに挿せばそこには完成した資料があった。
内容を確認すれば、私がやりたかったようにまとめられていて。
なんなら情報も精査されていてこっちの方がより分かりやすくなっている。
「、これ」
翔「出来てた？」
「うん、」
翔「帰るぞ」
「ぇ、ちょっと待って、」
翔太は慣れた手つきで自分と私のPCの電源を切ったかと思うと、私のバッグにデスクの上にあったスマホとかを突っ込んで。
反対の手では私の腕を掴んでオフィスを出てタクシーに押し込まれ、あっという間に家の前まで連れてこられた。
「ねぇ、どういうこと、？」
翔「......、」
「しょうた、」
翔「家、上がるぞ」
全然喋ってくれないし、そのまま私の家に上がり込む始末だし。
ほんと、意味わかんない。
頭がグラグラする。
「ーーっ、しょう、た」
もう身体は限界だった。
玄関からリビングに移動しようとした時にはもう力は残ってなかったようで。
床に倒れ込むと思いきや翔太に支えてもらってソファーまできた。
翔「だいじょうぶか」
「....、」
翔「いや...Aにそう聞くのがよくねぇんだよな。」
「...？」
翔「...この、大馬鹿野郎。」
翔「もっと自分大事にしろよ」
そう言うと、玄関へ向かい出ていった。
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作者名：＊yuki＊
| 作成日時：2024年1月1日 2時
