かわらないもの *blue* (ページ37)

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「よし！」

家に着いて速攻でシャワー浴びて、ソファーの前のローテーブルに買ってきたコンビニ飯を広げれば後はもう観戦するのみ。

選手入場の10分前には全ての用意が完璧にできて、早速ビールでも飲もうと缶に手をかけた時だった。

ーーピンポーン

突然インターフォンが鳴った。

画面に何も映らないとこをみると、それはすでに玄関から鳴らされてることを意味していて。

「え、なに、怖い、、」

エントランスからの呼び出しじゃないってどういうこと、、？

居留守してもよかったけどとりあえず覗き穴から見てみれば、

「しょ、うた...？」

まさかのドアの前に居たのは翔太だった。

ーーガチャ、

翔「よ！」

「ちょ、どうしたの？」

私の言葉を聞く前に勝手に部屋に入っていってるし、何が何だかわからないまま私もリビングに戻ると、

翔「おお、セーフ！！」

そう言って、
自分も何か買ってきてるのかローテーブルに次々とおつまみを並べ始めていた。

「えっとー...しょうたさん？」

翔「ん？」

「ん？じゃないでしょ、」

翔「いや、俺このチャンネル契約してないのよ。してないっていうか仕方分かんなくて。」

「うん？」

翔「え、いや、だから。
Aん家なら絶対契約してるだろうなと思って。」

やっぱりしてた、俺天才。

とか言いながら、ポテチの袋を開けはじめていた。

「...飲み会行かなかったの？」

たしか課長にめちゃめちゃ誘われてたはず。

翔「今日は飲み会なんて行ってる場合じゃないだろ。
俺らの＂青春の人＂が引退するってのに。」

「ーーー、！」

翔「俺んち観れないからここで観して。」

今更本題をようやく言った翔太には呆れるけど。

NBAファンなら今日は本当に大事な日だもんね。

翔「あ、やべ。
コレ冷凍庫入れといて。」

「ーーーっ、」

忘れてた、と渡されたビニール袋の中を見れば、そこにはピノが入っていて。

「ふふっ、」

翔「ん？どした？」

「ううん、なんでもない」

翔「なんだよ」

すでに冷凍庫に入っているピノを翔太に見せつけた。

翔「え！まじ？かぶった？
でも俺らっていったらソレだもんな、」

「そうだね、」

そう思ってくれてることが嬉しくて
少しだけ涙が出そうになった。