かわらないもの *blue* (ページ25)

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渡辺side

飲み会序盤は楽しくて良かったものの、後半になるにつれてなかなかカオスな状況に。

そんなに酒が強くない俺は上手く交わしてたけど、たまに見えるAは結構飲まされてて正直心配だった。

心配はそれ以外にも、

さっきからやたらと立石の距離感がおかしい。

Aがトイレに立ったときだった。

立石「おれ、今日あいざわをお持ち帰りしますっ！」

とか訳わかんねぇ宣言しやがって。

立石「なぁ、ナベ。
相澤めちゃめちゃ可愛くなったよなぁ。
今なら俺抱けるわ。」

酔っ払ってるとはいえ立石は本気だろう。

じゃあ最後のひと押しに行ってくる！と意気揚々とAのあとを追いかけるアイツの姿を見て、俺は持ってる割り箸が折れそうなほど力を入れていた。

ーーお前なんかに渡すかよ、

不自然だと思われてもいい。

口説いてる現場に割って入って、帰りも強引に理由つけてAを連れ出しタクシーに押し込んだ。

なにムキになってんだよ、俺は。

よく分かってないAは相変わらず気まずそうにしてるし、さっき賭けで遊んだことをいいことにコンビニで降りて奢ってもらって。

家が隣同士なんだから当たり前に同じ帰り道になるわけで。

その道中で食べるピノが懐かしかった。
6年ぶりだぞ、これ食うの。

やっぱり途中からクドい甘さがやってきて、半分食べたらAに渡す。

ーーあぁ、こんなんだったな

当時、いくら賭けでの勝負とはいえ女の子に奢ってもらうのは申し訳なくて。

さりげなく2人で食べれるものは何か探したのちに辿り着いたのがピノ。

甘いのは好きじゃないけど、Aと食べるピノは好きだった。

いや、今もか。

そんなこと思い出してたらこのままお開きっていうのもなんか嫌で、思わず「もう少し話したい」なんて言っちゃったけど。

断られなかったことにホッとしてる自分がいた。