かわらないもの *blue* (ページ24)

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立石「逃げんなよー。
ってかさぁ、このあと2人で抜けよーよ。」

また肩を組まれて身動きが取れなくなる。

酔った立石がちょっとだけ怖くて、どう抜け出そうと考えてた時だった。

翔「おまえら邪魔」

「っ、！」

どこからか翔太がやってきた。
何にも悪いことしてないのに、この状況を見られてることが気まずくてしょうがない。

立石「うはっ！抜け出す俺らがうらましいか！」

翔「もうチェックの時間だってよ。
お前幹事だろ、早く行けよ」

立石「はいはいー。じゃあ、あいざわ後でなー」

会計に向かった立石と、そのまま何も言わずにトイレに入って行った翔太。

とりあえず助かったのかな、？

私も自分の荷物をまとめに席に戻った。

『おつかれっした！』

立石「あれ、あいざわどこだ」

解散になったのに、立石が意外としつこく絡んでくる。

立石「お、いたいた。あいざわー」

また肩を組まれそうになったときだった。

翔「コイツ具合悪いから」

立石「え、」

翔「おら帰るぞ酔っ払い」

私の手を掴んで引っ張った翔太によって立石からは解放されて、通りがかったタクシーに乗る。

翔「「......、」」

車内ではずっと無言で、なんとも言えない空気感が漂ってる。

すると、

翔「ここで降ります」

まだマンションじゃないのに下車することになった。そこはうちから一番近いコンビニだった。

翔「え？もしかして忘れた？」

「...忘れてないし、」

翔「ふはっ！これ奢れ」

翔太が手にとったのはピノのアイス。
そう言えば翔太が選ぶのはいつもピノだったな。

それに、

翔「ん、」

いっつも翔太は半分しか食べなくて残りは私にくれるんだ。

「いーよ、全部たべなよ」

翔「もういい。俺そんな甘いもん好きじゃねぇし」

だったらアイスにしなきゃいいのに。
この言い訳もずっと変わらないね。

大した会話もせずに、それぞれの部屋の前に着いた。

おやすみ、って言えばいいのかな。
鍵を開け部屋に入ろうとしたときだった。

翔「あのさ、」

「、、？」

翔「もう少し話したい」

あまりに直球な言葉に断るタイミングすら失った。

翔「俺の部屋、おもてなし出来る状態じゃないんですけど」

「...じゃあ、どーぞ」

翔「ん、お邪魔します」

なんでだろ、お酒入ってるからかな、
私もすんなりと部屋に招き入れていた。