かわらないもの *blue* (ページ16)

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立石「いやー、何よりびっくりしたわ。
相澤、お前雰囲気変わり過ぎだろ。」

「ーーっ、はは、そうかな」

立石「そうだろ！
化粧なんかしちゃってるし髪まで伸ばしててさぁ、」

『えー！なになに？相澤さんって高校時代どんなんやったん？』
『渡辺くんの話も聞きたいー』

翔「...いや、聞かなくていいっすよ」

早速女子社員たちも集まってきて囲まれる私たち。

立石「相澤ってショートカットにすっぴんで！マジで男みたいだったんすよー。
女子にめちゃめちゃ人気あって！」

『えー！そうなん？想像つかへん！』

立石「写真ありますよ、ほら！」

そう言ってスマホで当時の写真を見せてまわる立石。

『ほんまやー！相澤さん今と全然ちゃうやん、』
『女の子から人気あるって分かるわぁ』
『そこら辺の男の子よりカッコええやん』

立石『でしょ？！
お前さー、そんな＂女みたいな格好＂されたら分かんないって！名前聞いてたから気づけたけどさぁ』

「、、っ、」

あぁー、久々だ、この感じ。
どれだけトラウマなんだよ。自分。

立石だって悪気があるわけじゃない。
体育会系のノリなのはわかってるんだけど。

ただ昔話をされているだけなのに、

女みたいな格好って、、
女なんだけどなー、わたし。
この6年努力して見た目を変えたとしても、結局は過去には勝てないんだなと痛感する。

立石「ナベも最初は相澤って分かんなかったろ！どーよ、今のコイツ。」

やめてよ、翔太に話振らないで。

ききたくない、

翔「...いや、別に変わんなくね？」

立石「、え？」

翔「まぁ、すげぇ綺麗になっててビックリはしたけど」

「ーーー、っ！」

翔「てか挨拶は十分済んだろ。用事ないなら帰れよ。」

立石「えー！ナベ冷たい！」

翔「はいはい、帰った帰った」

翔太に背中を押され「当日までよろしく！お邪魔しました！」と帰っていった立石。

そして呆気にとられたまま何も思考が働かない私。
え、さっき、翔太なんて言った？

当の本人は特に気にする素振りもなく自分のデスクに戻ってメールチェックなんかしてて。

翔「A、」

「...なに？」

翔「立石が今度飯行こうって。」

「あ、ぅん、」

会社だというのにサラッと名前で呼んでくるし。

なんなの、ほんと。調子狂う。

一旦、給湯室にいって気持ちを落ち着かせてから業務に戻った。