１２２デクVSかっちゃん ページ22
「タイムストッパー！」
「えぇ!? そこは普通、お父さん！って感動の再会の筈だろう？」
何いってんだこの人、毎回正月には帰ってきてるくせに。
「一年に一回は必ず会ってるじゃん」
「そ、そりゃそうだけど……。」
未だぶつぶつと一人ごちるお父さん。
そういや、私だけ別の訓練を受けることになるのだろうか。
「お父さん」
催促の意を含んで声を上げると、お父さんはようやくその仮面に包まれた頭を上げた。
「……そう。Aには僕が昔行った訓練をグレードアップさせたものを受けてもらうよ」
ただならぬ雰囲気に気圧される。他の生徒達が対人戦闘訓練をしている間に私は特別訓練を受けることになった。
「そのためにはまず場所を移動するか。ここは戦闘訓練の様子をモニター越しに見学する所だから。……生徒が来てしまっては不都合なんだ」
*
そして私は父に特別鍛錬室というだだっ広い場所に案内された。意味深な発言から一体どれだけ恐ろしい実習が待っているのかと身構える。
「ではそこへ座って、楽な姿勢でいいから」
部屋の中心を指差しながらの言葉に従って大人しく腰を下ろす。
すると目の前に金魚鉢が三つ置かれた。
「はい」
……少しの沈黙。
まさかこの魚達の動きやらを止めなさいとか言うんじゃ「そのとーり！」
「はあ？」
思わず気の抜けた声が溢れる。
「さすが僕の娘は察しがイイね！」
「でもただ動きを止めるだけでしょう？」
それでは余りにも簡単過ぎる。
私が問うと、父は覆面を少し歪ませてこう言った。「条件がある」と。
「脳の動きは止めずに、身体の活動だけを停止させること」
それっていわゆる脳死状態にしろってわけ？
「この訓練は昔僕もやったものだ」
明後日の方向を遠い目で見つめながら嘆息する父。
「それは興味ないけど(つーかさっきも同じようなこと言ってたし)……でもコイツら金魚だよ？……生き物だよ？」
いくら訓練でも、生き物を犠牲にするなんて気が引ける。
「あ、そこは大丈夫、ヤバくなったら僕が調節します」
「……そ、そう」
なら、いいかな、べつに。
一拍置いて、早速私は昔父もこれで鍛えたという訓練に手を付け始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
爆豪緑茶＠僕アカ(プロフ) - ハクさん» コメントありがとうございます(^^♪まぁ、なんか、ありふれた感が凄いですけどそう言っていただけると嬉しいです！ (2014年12月17日 18時) (
レス) id: a57d88f4d5 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 夢主ちゃんの感がスゴい!!応援してます!!更新がんばってください (2014年12月17日 18時) (レス) id: e1ea1acc2e (このIDを非表示/違反報告)
爆豪緑茶＠僕アカ(プロフ) - 狗豆さん» コメントありがとうございます！もうこれ本誌見ながら泣いてしまいましたわ…。主はさっさと退散したのでかっちゃんの勇姿を見れずじまい＼(^o^)／いやあ恐縮でございます！ (2014年12月16日 21時) (レス) id: a57d88f4d5 (このIDを非表示/違反報告)
狗豆(プロフ) - おああああああああああああああああああ相澤さああぁぁぁぁぁぁああああああん!!!!ちょっと待て夢主かっちゃんが嫉妬するから相澤さんばっかり庇うの止めなさいww!!コラwwいやぁ相変わらず素晴らしい文才で魅了されますなぁへっへへ( (2014年12月16日 19時) (レス) id: a174693864 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - それなら大丈夫b相澤さん！いいよね！ (2014年12月16日 19時) (レス) id: 51504552ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：爆豪緑茶@僕アカ(ChocoLa♪MHA) x他1人 | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時：2014年11月24日 22時
