１２６スタートライン、爆豪の。 ページ26
「勝己！」
駅のホームで電車を待つ勝己に声をかける。すると彼はこちらを一瞥してから線路の方へ視線を落とした。
「……A」
俯きながら私の名前を呼ぶので、彼に近寄り傍らに立つ。幸いホームに人はいないので、人目を気にすることもあまり無さそうだ。
「私、別室で訓練してたんだ。だから勝己たちの戦闘は見れなかったけど」
「そーかよ」
どこか安心したようにほっと一息をつく勝己。ふと、さっき出久んに言われた言葉を思い出す。
“泣いてるところは見られたくない”
これがいわゆるオトコゴロロだとしたら、負けたところを見られたくないっていうのもこれに分類されるのかな。
「……俺は、アイツに負けた」
一人で解釈を進めていると、不意に勝己が語り始めた。
勝己が心情を暴露する。
大人しく耳を傾けることにした。
「講評の時、あの女の言う事に納得しちまったし、轟とか言う奴の個性に敵わねえって思っちまった」
「こんな弱気な俺は心底情けねえと思う」
小さく相槌打ちつつ、一つ一つ聞いていく。勝己が「だがな、俺は」と言いながら顔をこちらに向けた時、丁度電車が到着した。
「……絶対に一番になってやる」
*
「で、勝己あのホームでなんて言ったの？」
「別に……何も言ってねーわ」
田等院駅から家への帰り道。家同士が近いので必然的に少し歩いてバイバイ、なんてことは無いわけで。
「なら良いんだけど」
そこからは終始無言で、烏の鳴き始めた夕方の道を二人並んで歩き続けた。
「じゃあ、私はここで」
といっても玄関の前ですがね。曲がり角で分かれるとかそんなんじゃないからね。
「……あぁ」
うう、なんかモヤモヤするなあ！常に自信たっぷりでウザいぐらいだったのに、なんだろう……出久んのような落ち込みモードの勝己をそう続けて見たくはないのだ。
「もう、いつまでもシケた面しないで！顔上げろバカツキ！」
両手で彼の頬を挟みぐいっと上を向かせる。驚いたように目を見開く勝己。
「ンな……！テメエに言われたかねーんだよ離せクソA！」
青筋を浮かべながら私の両手首を掴み、いつものように怒鳴る彼はいつもの彼に戻ったようだ。
私は掴まれた手をくるりと回して躱し、玄関を開きこう捨て台詞を吐いた。
「グイッと前見て突き進め！……また明日ね」
ドアを閉める時、隙間から見えた彼の朱に染まった顔は見なかったフリをしておこう。
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爆豪緑茶＠僕アカ(プロフ) - ハクさん» コメントありがとうございます(^^♪まぁ、なんか、ありふれた感が凄いですけどそう言っていただけると嬉しいです！ (2014年12月17日 18時) (
レス) id: a57d88f4d5 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 夢主ちゃんの感がスゴい!!応援してます!!更新がんばってください (2014年12月17日 18時) (レス) id: e1ea1acc2e (このIDを非表示/違反報告)
爆豪緑茶＠僕アカ(プロフ) - 狗豆さん» コメントありがとうございます！もうこれ本誌見ながら泣いてしまいましたわ…。主はさっさと退散したのでかっちゃんの勇姿を見れずじまい＼(^o^)／いやあ恐縮でございます！ (2014年12月16日 21時) (レス) id: a57d88f4d5 (このIDを非表示/違反報告)
狗豆(プロフ) - おああああああああああああああああああ相澤さああぁぁぁぁぁぁああああああん!!!!ちょっと待て夢主かっちゃんが嫉妬するから相澤さんばっかり庇うの止めなさいww!!コラwwいやぁ相変わらず素晴らしい文才で魅了されますなぁへっへへ( (2014年12月16日 19時) (レス) id: a174693864 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - それなら大丈夫b相澤さん！いいよね！ (2014年12月16日 19時) (レス) id: 51504552ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：爆豪緑茶@僕アカ(ChocoLa♪MHA) x他1人 | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時：2014年11月24日 22時
