目覚めのとき ページ4
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※過去捏造(妄想/想像)です。苦手な方はブラウザバック必須です
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「久しぶりだね」
「……はい」
クラシカロイドを生み出した張本人・音羽響吾がラボを空けたほんの一時間の話。
冷たい空間に似合う静けさ。そして、二人の間に流れる気まずい空気。
そんな沈黙に終止符を打ったのは、三番目のクラシカロイドだった。
「また会えるなんて、思ってなかった」
「……私もです」
モーツァルトの凛とした声に続いたのは、二番目のクラシカロイド。
モーツァルトは、その返答が気に入らなかったようで、口をへの字に曲げた。
「響くんのモツとかベトって呼び方もだけどさ、その口調も好きくない」
響くんの場合は真逆だけどさ、堅苦しすぎて嫌いだなぁ、そういうの。
嘗て憧れていたその人の呟きに、白髪の彼のは戸惑いを隠せずにいた。
自分がルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンなら、彼もヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトなのだろう。
前に会ったときとは髪色などが違ってはいたが、その面影は他の誰でもなく、モーツァルトだ。
彼は自分より早くにこの世に生を受けていたし、彼を師事したいと思ったこともある。
その人は、その人に敬語を使うなと言っている。
困惑するベートーヴェンの様子を見計らい、モーツァルトは言った。
「君の方が僕より長く生きたんでしょ。それに……今回は、君の方が早く目覚めたでしょ」
「ま、まぁ……」
「じゃあ決定ね」
少しずつでいいからさ。
その笑顔に少しときめいてしまったのは、ベートーヴェンだけの秘密。
「よろしくね、ルートヴィヒ」
「え、えっと……」
「好きに呼んで」
「では、……ヴォルフ……？」
「何それいいじゃんルートヴィヒ！！ じゃあ僕はルーくんって呼ぶね」
モーツァルトは彼の反応に嬉しそうに言った。
―――このころからお互いに惹かれていたのだから、今の関係はあって当たり前なのかもしれない。
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作者名：コトハ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/classicaloid/
作成日時：2018年1月30日 22時
