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-SIAN side-
JH「…A！そこ！」
本日何度目か分からないAのミス。
Aは明らかに集中出来ていなかった。
それも仕方ないと思う。
今までテレビ局で失くなっていた、いや、盗まれていた私物が全て事務所のロッカーから出てきたのだ。
犯人は事務所の関係者であることは明らかだった。
どこで見られているか分からない状況で、落ち着いていられる人の方が珍しいだろう。
JH「A、あんまり集中出来てないよね。どうした？何かあった？」
AG「…すみません」
JH「謝っても仕方ないよ。最初も遅れて来てたし、今日何か変だよ。いつもはこんなじゃないだろ？」
ホソクがAのミスについて咎めている訳ではなく、いつもと様子の違うAを心配しているのだというのは見て取れた。
大体、うちのメンバーがAを本気で怒れるはずがないのだ。
若くして外国から1人でやって来て、しかも女という立場で、Aの気苦労は他のメンバーよりも多い。
しかもメンバー全員Aが可愛くて仕方ないので、何だかんだ言って甘やかしてしまうのだ。
AG「…すみません」
JH「…分かった、一旦休憩にしよう」
AG「…」
依然として謝罪の言葉しか発さないAに痺れを切らしたホソクがメンバーに言った。
その言葉を皮切りにメンバーがばらけ始め、テヒョンがAに近づいて行った。
TH「A、大丈夫？」
AG「…うん、大丈夫、ごめん」
TH「何で謝るの。ホソギヒョンもAのこと心配してるだけだから落ち込まないで」
AG「うん…うん」
Aの大きな瞳からは、今にも涙がこぼれ落ちそうだった。
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作者名：も | 作成日時：2024年1月22日 23時
