55. ページ5
-ANGE side-
ついにI NEED UのMVが公開された。
正直私達にとって今回のカムバックは、かなり勝負に出たと思う。
結果、ミュージックバンクで初めての1位獲得。
アンコールでは真っ赤なリップを塗りたくって歌い切った。
AG「本当に幸せです。ありがとうございます」
SA「これからも温かい目で見守ってください」
ステージから降りた後、変な唇のままカメラに向かって感謝の気持ちを述べる。
シアンオンニの目が少し潤んでいるのを見て、そう言えばこの人が泣いている所を見たことが無かったなと気づいて、釣られそうになった。
今までのことを色々振り返ってみると、デビューした頃には多かった私とシアンオンニに対する批判の声も、そこまで見かけなくなった。
正直、私は韓国のアイドルの中ではかなり歌の実力がある方だと自負しているし、オンニもダンスとラップで右に出る人はいないと思う。
自分で言うのも気が引けるが、実力で黙らせるとはこういうことなのだと思った。
AG「あれ…」
その頃からだった。
控え室に置いている自分の鞄からやたら物が失くなっていったのは。
JM「何、どうしたの?」
AG「いや…私イヤホンどこに入れたっけ」
JM「失くしたの?」
AG「うーん…この前もリップが失くなってたんだよね」
JM「Aってそんなおっちょこちょいなタイプだったっけ?」
AG「いや、そんなこと無いと思うけど」
ジミンオッパが一緒に探してくれたけれど、結局見つからなかった。
JM「イヤホンくらいオッパが買ってあげるよ」
AG「いや別にそれは良いんだけど…」
何だか気味が悪い。
元々片付けなどは苦手なタイプだったけれど、物を失くすことは滅多に無かったのだ。
しかもこんなに頻繁に。
自分のせいではない気がして、嫌な予感がした。
.
350人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:も | 作成日時:2024年1月22日 23時