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-SIAN side-
寝て良くなるかと言えば、否であった。
ジンオッパに肩を叩かれて目を覚ますと、わざわざ確認しなくても体温が上がっているのを感じた。
MK「シアン、顔色悪すぎ。メイクで誤魔化しきれないよこれ」
メイクのオンニにも呆れられてしまったが、スケジュールに穴を空ける訳にもいかないのだ。
今突然出演を棄権しても、私の代わりはいない。
普通にメンバー達に迷惑がかかるし、何より自分が負けたような気持ちになるのが嫌だった。
こんなに体調を崩すのなんて久しぶりだと、何だか他人事みたいに考えながら舞台袖まで辿り着いた。
ステージの強い光や大きな音は、今の自分にはかなりきつかった。
RM「シアン」
SA「…何」
RM「大丈夫？出れる？」
SA「うん、出る」
出れるかどうかを聞かれたのに、「出る」と答えた。
RM「本当に無理するなよ」
SA「大丈夫だから。ここまで来てやっぱり無理ですなんて言ってやめられないでしょ」
全く悪くないナムジュンに八つ当たりをしてしまってから、彼の困った顔を見て我に帰った。
JH「やーナムジュンだって心配してるんだよ。とにかく今日は抑えめで良いから。いつも全力でやるのが大事な訳じゃないよ」
SA「…そうだね、ごめん」
ホソクが気を遣って割って入ってくれたお陰で何とか場を取り持ったが、体調不良に伴う色々な考えのせいで自分に余裕が無くなっているのが分かった。
「防弾少年団の皆さん、お願いします！」
ステージに一歩足を踏み入れたら、私はもう私だけのものではなくなる。
カメラの前では、完璧な"SIAN"でなくてはならないのだから。
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作者名：も | 作成日時：2024年1月22日 23時
