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-SIAN side-
控え室の前まで着くと、突然の目眩に襲われて壁に手をついて耐えた。
これはかなり深刻だ。
JN「…シアン?」
壁に手をついたまま暫く立っていると、控え室から出てきたジンオッパが近づいてきた。
JN「大丈夫?」
SA「あーうん、今入ろうとしてたところ」
ジンオッパはしげしげと私の顔を見つめた後、突然私の首に手を当ててきた。
SA「…何?」
JN「熱い。熱測った?」
SA「…熱なんて無いよ」
JN「土みたいな顔色して何言ってんの。言ってないだけでメンバー皆んな気づいてるから」
ジンオッパの言葉に言い返せなくなる。
JN「おいで。メイクの時起こしてあげるから、今は寝てな」
そう言ってジンオッパは、どこかに行くはずだったのに、私の手を引いて控え室に戻った。
私をソファーに座らせて、寝ろと言わんばかりに自分のパーカーを私の頭に被せると、ただ何も言わずに隣に座った。
ああもう。
そういう所だよ。
オッパの匂いがするパーカーの暗闇の中で目を瞑ると、色々な考えが浮かんでくる。
オッパは私のことを妹だとか言っていたくせに、何かと私をときめかせる行動をするのだ。
いや、恋愛対象として見られていても今の自分達はそれどころではないけど。
最近、ジンオッパが年上の女のスタッフと話しているのをよく見る。
きっと、私みたいな手間のかかる妹なんかより、頼れる年上の女の人の方が良いよね。
だってオッパ、家族の中では末っ子だし。
彼女でもないくせに面倒臭い女になっている自分にも腹が立って、悶々と考えている内に意識を手放していた。
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作者名:も | 作成日時:2024年1月22日 23時