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-ANGE side-
AG「え…と…」
目の前の男の顔を見て、言ってはいけないと瞬時に悟る。
TH「答えられないの?」
AG「…大丈夫だから」
TH「何が?俺まだ何も言ってないけど」
AG「…」
TH「あのさ、俺1人になるなって言ったよね?迎えに行くから。どこ?」
AG「…」
何も答えない私に、電話の声も聞こえなくなる。
目の前の男が、ニヤリと笑うのが見えた。
TH「…いた」
AG「え?」
テヒョンオッパの声が電話と同時に近くで聞こえた瞬間、私は目の前の男に抱き締められた。
突然の出来事に、再び頭が真っ白になる。
TH「何やってんだよ!!」
いつの間にかすぐそこにいたテヒョンオッパが、私から男を引き剥がして、私を背中の後ろに隠す。
全てが一瞬の出来事だったので、頭が追いつかずに目を白黒させる。
TH「A、大丈夫?」
AG「う、うん」
テヒョンオッパがこちらに目線を寄越さずに言うので、怒っているのだと分かった。
その後すぐにテヒョンオッパがマネージャーオッパを呼んで、男は連行された。
男は抵抗せずに、大人しく着いて行った。
マネージャーオンニも飛んで来て、私とテヒョンオッパはバンに連れて行かれた。
その道中も、オッパは私に目を向けなかった。
AG「…オッパ」
TH「…何?」
AG「…ごめんなさい」
TH「何が?」
AG「その…1人で行動したこと…?」
ようやくオッパは私に目を合わせたかと思うと、困ったように笑った。
TH「あーもう、ちょっと意地悪しようと思ったのに。Aが可哀想だからやーめた」
AG「え?」
TH「大体!あのおっさんがやばい人そうなの分かってたでしょ!?何で1人でうろちょろするかなー」
AG「ちょっとぐらい大丈夫だと思って…」
TH「油断は禁物!」
そう言って人差し指で私の額をぐっと押すオッパは、いつものオッパだった。
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作者名:も | 作成日時:2024年1月22日 23時