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63. ページ13

-ANGE side-


一件落着したと思った、というか無理矢理思い込んでいた。

犯人が捕まってから最初の音楽番組の収録。


AG「…え」

更衣室に入った瞬間、絶句した。

今から着るはずだった私の衣装がズタズタに切り裂かれていたのだ。


SA「何、これ…」

AG「…」

シアンオンニと2人でどうしたら良いのか分からず、ただ立ち尽くす。


SA「マ、マネージャーオンニに…」

「大丈夫ですか?」


後ろからかかった声に、びくりと反応する。

振り返ると、この間事務所で話しかけて来たあの男性スタッフがいた。


SA「あ…大丈夫です。マネージャーオンニどこにいるか分かりますか?」

ST「マネージャーさんなら控え室の方にいると思うよ」

SA「ありがとうございます…A、行こう」

ST「もしかして衣装に何かあった?」

SA「…はい?」

どうしてそれを知っているのかというような目線で、オンニがスタッフを睨む。


ST「まだ着替えてないなんて…やっぱり何かあったんでしょ?力になれることがあれば手伝うよ」

SA「いや、本当に大丈夫なので」

ST「はは、衣装が駄目になってるっていうのにまだ強がるんだね」

SA「…は?何で…」

ST「大丈夫だよ。僕は何もしないから」

耐え切れなくなったオンニが、私の手を引いて無理矢理そのスタッフを無視して歩いて行く。


JN「あれ、シアン、A、着替えに行ったんじゃないの?」

SA「ちょ、オッパ邪魔!」

JN「ええ?」

廊下で出くわしたジンオッパを押し退けて、オンニはズンズンと突き進んで行く。

シアンオンニがジンオッパにこんな態度を取るのは初めてだったので、私もジンオッパも目を点にした。


SA「A、あの人に心当たりある?」

AG「この前事務所で…テヒョンオッパといる時に話しかけられた」

SA「あの人やばいよ、絶対に」

シアンオンニが珍しく本気で焦っているので、何も言わずに黙って着いて行った。


.

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作者名: | 作成日時:2024年1月22日 23時

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