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-ANGE side-
コンセプト変更。
それは、私達にとって大きな分岐点となった。
今までのヒップホップ色の強いコンセプトからは離れて、「花様年華」という大きなプロジェクトが始まった。
"人生で最も美しい瞬間"
今までの私の人生に、美しい瞬間などあっただろうか。
もしかしたら、メンバー達とデビューして必死に駆け抜けている、今この瞬間が美しいのかもしれない。
けれど、私にとっては何か違う気がする。
MVを撮影するに当たって、それぞれのメンバーにコンセプトがある。
私は、シアンオンニに恋する同性愛者の少女。
けれどシアンオンニが思いを寄せるのは、なんとジンオッパ。
それを知ってショックを受けた私は自ら命を絶ってしまう。
…なんという皮肉。
まるでオンニの気持ちを知っているかのような、そして私の過去を見透かしているかのような配役。
私の中の小さな記憶が、ズキリと痛んだような気がした。
JN「やーシアンとこういうことやるのなんか恥ずかしいな」
SA「ジンオッパとキスシーン…」
AG「え、ガチでやるの?」
SA「ま、まさか!!」
そう、ジンオッパとシアンオンニの2人のシーンには、キスシーンが含まれるのだ。
いや、キスシーンと言うには程遠いかもしれない。
2人の足元だけを映して、シアンオンニが背伸びをすることによってキスをしたと刷り込ませるらしい。
なんかエモい。
SA「…何その顔」
AG「別に?オンニ可愛いなって」
SA「もう…私があんたに怒れないの知ってて言ってるでしょ」
AG「もちろん」
JN「やー何2人でこそこそ話してるんだよ〜」
AG「オッパには関係無いから!」
JN「前ユンギにも言われたなそれ…」
仲間外れ寂しいと呟きながらユンギオッパに絡みに行って拒絶されているジンオッパを見ているオンニは、相当彼の虜である。
もどかしい関係を黙って見ていることしか出来ない自分ももどかしくて、オンニの背中をバシバシと叩くと少し怒られた。
あれ、怒られないはずだったんだけど。
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作者名:も | 作成日時:2024年1月22日 23時